宮応かつゆきの日本改革ブログ

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「山極寿一前日本学術会議会長ー『民主主義の大きな危機』(6人の任命拒否問題)」

2020年10月13日 | 未来社会へのプロセス

「朝日」紙13日付に、山極寿一前日本学術会議会長と大西隆元会長の発言が掲載されました。体験を踏まえた発言だけに大変重要な証言となっているのではないかと思いました。紹介させていただきます。(一部省略をお許しください)

「日本学術会議の会員6人が任命されなかった問題で、学術会議の前会長で京都大の山極寿一・前総長が11日、学術会議などが主催する人類学に関するオンラインシンポジュウムであいさつし、『会長であった私が(菅義偉首相と)きちんと交渉すべきだった』などと謝罪、菅首相に対し『賢明な政治、政権運営をお願いしたい』と求めた」

「山極氏は、『6人が任命から外れたとの通知が来たのは退任の2日前』だったとし『即刻、文書で首相に問い合わせたが、何ら回答がない。非常に遺憾なことだ』と語った。また、『国の最高権力者が意に沿わない者を理由なく切る、(さらに)問答無用であるという風に明言すると、その風潮が日本各地に広がることが懸念される。これは民主主義の大きな危機』と訴えた」

【大西隆元日本学術会議会長・東京大名誉教授の発言】

「--学術会議が会員候補に推薦した105人のうち6人が任命されなかった」

(大西氏)理由を明らかにせず任命を拒否したことは大変遺憾だ。会員は優れた研究または業績のある科学者のうちから選ぶと、日本学術会議法にある。研究業績とは違う基準で任命拒否したとすれば、法に反する」

「ーー菅首相は、6人を除外する前の105人の推薦名簿を『見ていない』と発言した」

(大西氏)学術会議は、会長名で105人の推薦名簿を任命者である首相に宛てて公文書で届けた。見ていなければ99人を選んで任命することはできないはずだ。矛盾しているし、無責任のそしりを免れない。任命を拒否された方々を愚弄している」

~ 中略 ~

「--17年秋の105人の交代人事ではどうでしたか」

(大西氏)16年末ごろに私が官邸を訪れ、選考の方法やスケジュールを説明した。女性の割合を増やす方針であることなども話した。それ以前の補充人事でも『多めの人数の名簿を』と求まられていたので、私は、推薦候補を最終的に絞り込む前の数人多い段階で選考状況を説明すると言い、官邸幹部も了解した」

「--自民党は学術会議のあり方を議論するチームを立ち上げる方針だ」

「(大西氏)今回の任命拒否と、学術会議がどうあるべきかは別の問題で、問題のすり替えをしてはいけない。15年に内閣府総合科学技術会議の有識者会議がまとめた報告書では、学術会議が国の機関でありながら、法律上独立性が担保されている現在の制度を肯定し、国費で支えるべきだと結論づけた」

「--菅首相は任命の判断基準として、『総合的・俯瞰的な活動』を挙げている」

「(大西氏)総合的・俯瞰的という観点は、03年の総合科学技術会議による学術会議の改革案で使われた言葉だ。学術会議としても7部制から3部制への見直し、分野横断的な活動によって、総合性や俯瞰性を生かしてきた。任命を拒否された人文社会科学系の6候補は、人や社会を総合的・俯瞰的に捉えることを学問の特性としているのだから、任命拒否はなおさら疑問だ」