「日本共産党の志位和夫委員長は6日、来年10月からの消費税10%増税の可否について、『中止する決断をするべきです。 増税中止論にしても、先送り論にしても、来年10月から10%にするのは良くない』という接点があります。 10%ストップの1点で、国会内外で力をあわせることが大事です」
「志位氏はこの中で、9月の毎月勤労統計調査で物価の変動を反映した賃金水準を示す実質賃金指数(現金給与総額)が前年同月比で2・9%低下、15カ月連続マイナスになっている事態に言及し、『アベノミクスの二重苦』-①『異次元の金融緩和による円安・物価上昇②消費税大増税ーが家計と経済を破壊し、深刻な政治不況をつくっていると厳しく批判」
「『どの世論調査をみても7割以上の国民が来年10月からの10%は反対です。 それに応えた決断が必要です」
「そのうえで、『国会内外でいろいろな意見があると思います。 私たちは増税を中止し、増税に頼らない別の道で財源を確保するという立場です。 一方で増税は容認するが、いま増税するのはよくないという凍結・先送り論もあります。 そうした違いはあっても、来年10月からの10%の増税はストップの1点で力を合わせる立場でのぞんでいきたい」(以上、「しんぶん赤旗」7日付)
「しんぶん赤旗」8日付は、「ニュースを解く 追加金融緩和」の解説記事(山田俊英氏)を掲載しました。 その一部を紹介します。
「追加緩和は、日銀が買い入れる長期国債やリスク性金融資産を増やすことで、金融の安定に責任を持つ中央銀行としての信認を危うくします。 決定に9人の日銀政策委員のうち4人が反対し、わずか1票差での決定だったことからも、危うさがわかります」
「国債は国の借金証書です。 昨年の『異次元の金融緩和』で、長期国債など日銀が保有する金融資産はすでに名目国内総生産(2013年)比40%に達しています。 政策開始当初と比べると2倍に増えています。 国債を買い入れるペースを加速し、国債の満期まで引き延ばすことで、日銀が引き受ける国の借金はさらに膨らみます」
「国債を日銀が直接引き受けることは、国家財政を破綻に導きかねないため、財政法で禁止されています。 日銀は市場で購入するから直接引き受けではなく、財政赤字の穴埋めではないと釈明していますが、これだけ膨大な国債を買い入れて、その言い訳は通用しません」
「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は株式による年金資金の運用を増やす一方、国債での運用を減らします。 市場で大量の国債購入を進める日銀は、GPIFが手放す国債も購入するとみられます。 株による運用は常に損失を出す可能性があり、年金資金の運用失敗は直接国民に被害をもたらします」
「それに手を貸すという意味でも、追加緩和は大きな問題を抱えています。 しかも『異次元の金融緩和』は、どう終了させるのかの、『出口戦略』がありません。 日銀が買い入れた大量の国債をどうするのか。 エコノミストも『技術的にどうやって長期国債の買い入れから足抜けしていくかという展望が描けていない問題がある』(第一生命経済研究所・熊野英生氏のレポート)と指摘しています」
「もともと、『異次元の金融緩和』は株価をつり上げて支持率向上を狙った安倍政権の意を受けて始められたものです。 株価上昇は、見かけの上で景気向上を演出します。 追加緩和には再増税に向けた地ならしとしての意味が込められています」