じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

北森鴻「苦い狐」

2022-10-03 15:29:46 | Weblog

★ 10月になったのに暑い日が続く。しかし、夏の名残も明日までとか。衣替えを急がねばならない。

★ 北森鴻さんの「瑠璃の契り」(文春文庫)から「苦い狐」を読んだ。「旗師。冬狐堂」シリーズ。

★ 店舗を構えず骨董品を売買する旗師。自分の眼と感性だけが勝負だ。そんな旗師・宇佐美陶子の元に一冊の小冊子が届いた。彼女が美大生だった頃、不幸にして亡くなった同級生の追悼画集の復刻版だった。

★ それにしても、卒業して20年。なぜ今こんなものが届いたのか。そして誰が発行したものなのか。

★ 不審に思った陶子は追究を始める。美術品、骨董品の類によくある詐欺なのか。しかし、作品は優れていても、同級生の作品が破格の価値が出るほど著名なものとは思えない。ならば、何のために。

★ 彼女はかつての恩師を訪ねる。

☆ 私には骨董品の価値がわからない。一時期は趣味と研究を兼ねて古書を集めたが、本の中身を知るだけなら、国立国会図書館のデジタルコレクションで用が足りる。では、廃棄すればと思うのだが(興味のない人が見ればただのゴミだ)、それも気が咎める。

☆ 例えば明治時代に発刊された本が、どういう経路を辿って我が家の本棚に行き着いたのか、それを想像するだけでも楽しい。眺めるだけでは本としての本懐は遂げられまいが。

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