じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

柚月裕子「蟻の菜園」

2024-07-13 19:08:08 | Weblog

★ 1学期も終盤。小中学校では授業を昼までにして、三者面談(中学校)やら懇談会(小学校)が開かれている。限られた時間の中で、保護者と教員が何を話すのか。話を聞くと、様々な思惑が飛び交っている様子。

★ 教員はホンネをオブラートで包んだような型通りの「報告」をし、保護者は教員を鋭く評価する。保護者よりも教員が年下なら、厳しい評価もあるとか。教員の覚悟と専門性が試される場面だ。

★ さて今日は、柚月裕子さんの「蟻の菜園」(角川文庫)を読み終えた。

★ ある連続不審死事件。結婚詐欺の嫌疑をかけられた女性にはアリバイがあった。この事件に興味を持ったライターが取材を進めると、そこには数十年にもわたる思いもよらない真実が隠されていた。

★ 事件の背後にある児童虐待の実態。犯行を憎みつつも、犯人の境遇には同情を禁じえない。

★ 警察も行政も教育機関も誰も子どもたちを救えなかったのか。いや、わずかな良心が救おうとした、実際に救った。しかし、そこには限界があった。

★ 一言で言ってしまえば不条理なのだろう。柚月さんの筆が冴える。

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