じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

永井路子「覇樹」

2022-10-05 11:30:11 | Weblog

★ 永井路子さんの「炎環」(文春文庫)から「覇樹」を読んだ。まさにNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のダイジェストという感じだった。

★ 公家の時代から武士の時代への転換期。御家人達は権力を争い、北条氏が頂点に立つ。親子兄弟が殺し合う骨肉の戦い。権力とは非情なものだ。

★ 弱弱しい北条義時が、次第に成長していく姿が印象的だ。権力の階段を登り、父親の時政さえも駆逐し、将軍や朝廷さえも屈服させる。ドラマの中で時政が叫んだように「見事じゃ!」という言葉が当てはまる。

★ 源氏三代、梶原、比企、畠山、和田。個性豊かな人材が生きては滅んだ。

★ 大河ドラマでは、牧氏事件まで描かれているが、まだ物語は半ば。クライマックスは、実朝暗殺、そして承久の乱へと進む。三浦義村と北条義時の関係も注目だ。

★ そしてエンディングは義時の死か。62歳。当時としては長寿なのだろう。血に染まった人生だが、晩年は穏やかだったようだ。

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