じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

長嶋有「サイドカーに犬」

2021-03-27 19:15:11 | Weblog
★ コロナの感染者がまた増えている。早くも第4波の到来。緊急事態宣言は効果が薄まり、ワクチンはまだ効果を発揮せず、目下のところ打つ手なしってところ。春の陽気で人の出が増え、桜も満開と来れば、感染拡大は当然の理だね。

★ そんな世相とは全く関係ないが、長嶋有さんの「猛スピードで母は」(文藝春秋)から「サイドカーに犬」を読んだ。主人公の女性が小学4年生だった夏の出来事を回想している物語。

★ 両親は喧嘩が絶えず、ある日、母は家を出ていった。それと入れ替わりにある女性がやってきた。洋子と言った。母に代わって子どもや父の面倒をみてくれた。後から考えれば、父の愛人だったのだろう。

★ 洋子はドロップハンドルの自転車を乗りこなす豪快な女性。彼女は「わたし」に、コカ・コーラの味やRCサクセションの曲を教えてくれた。大人と子どもではあるが、友情が芽生えたようだ。

★ そんなある日、出ていった時と同じように、何の前触れもなく母親は帰り、洋子は出ていった。子どもながらに別れというものを感じた。洋子は「わたし」にとって、一つの通過儀礼だったのかも知れない。

★ 麦チョコやソーダアイス、それにパックマンのゲーム機が時代を感じさせる。 
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