じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

師との別れ

2010-06-24 11:54:08 | Weblog
★ 大学時代、指導教官としてお世話になった先生が亡くなられた。88歳。天寿を全うされたのだとは思うが師との別れは心寂しいものだ。

★ 大学を退官されてからは、年賀状だけのご挨拶になってしまい、ご生前のうちにもっと教えを乞うておけばと思っても、後悔先に立たず。

★ 先生は教育社会学の研究室におられたが、本来の専攻は西洋教育史だった。梅根悟氏の教えを受けたと生前おっしゃっていた。

★ 手元に1962年に刊行された梅根悟編「世界近代教育史」がある。この中でも、先生は執筆者に名を連ねられている。

★ 学校の「宗主権」をめぐる論文について、「この論文の価値は今でも変わらない」と自負されていた。

★ 大学の最終講義は、ご自身が翻訳されたジェンクスの「不平等」についてだったと記憶している。

★ 大学の講義でイギリスへの留学時代の話をされていた。「バニラと注文したのにバナナと聞き取られてしまった」と談笑されていた。研修合宿では「蘇州夜曲」を口ずさんでおられた。

★ サングラスに地味な半袖シャツ、一見するとそのスジの親分に見えた。私の低次元な宗教の話にも耳を傾け、微笑んで聞いて下さった。時間外にドイツ語を教えて頂いた。

★ 思い出は尽きない。以前の大学は今よりもっとおおらかだったから、先生の大きな懐の中で、卒論も無事出させて頂いた。

★ 高木正太郎先生のご冥福を心からお祈りいたします。
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