じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

進学格差、大学格差

2009-07-31 12:43:35 | Weblog
★ 今日の朝刊、朝日新聞は保護者の所得による「進学格差」を、京都新聞は私立大学の大半が定員割れという話題を第一面で取り上げていた。

★ 「進学格差」の記事は、東京大学大学経営・政策研究センターが調査した結果を報じており、保護者の年収と4年制大学(特に私立大学)進学率との間に相関があるということが実証された。

★ 保護者から年収を聞きとるということ、全国の高校3年生4000人を3年間追跡したというのは、なかなか大変な作業だったと思う。親の年収に応じた「進学格差」は漠然と認識されていたが、こうして実証されると深刻な政策課題だと言える。

★ 親の所得によって子どもの将来が決定されると階層の固定化につながる。貧困の再生産が起こる。

★ 階層が固定化されると社会の活性化が失われるのではないか。社会不安が助長されるのではないか。「能力に応じて教育を受ける権利がある」と定めた憲法の理念にも反する。

★ 私立大学の定員割れは慢性化の傾向にある。ただ、すべての大学が定員割れをしているわけではなく、大学に格差が生まれている。都市部のブランド大学は依然人気が高く、地方の中小規模大学が苦戦している。

★ 少子化の中で確かに大学は多すぎる。より良い教育を実現するために大学が競い合い淘汰が行われるのは仕方のない面もある。大学経営者はこのあたりで腹をくくって大胆に大学改革を行うか、M&Aを決断する必要があるのではないか。

★ 「進学格差」と「大学格差」には共通するものがある。要するに「カネ」の問題である。

★ 総選挙では給付であるとか奨学金であるとか随分と景気のいい話が飛び交っている。こうしたカネが教育投資として生かされるなら実に結構な話である。ただ、破たん寸前の大学の延命策になるだけなら、ドブに捨てるようなものだ。

★ 学生の質、大学の教育水準の質をどのように上げるか、そうした検討も必要だろう。

★ 大学を乱造し大衆化を目指すなら、18歳人口に依存しない大学経営・教育のあり方が求められる。大学を精選し水準を高めるのなら、限られた学生への手厚い支援策(学費の無償化など)が求められる。
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