じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

元気のいい研究者たち

2008-05-08 00:15:17 | 
近代日本教育会史研究 (学術叢書)

学術出版会

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★ 梶原雅史編著「近代日本教育会史研究」を購入した。

★ 戦前の教育会とは不思議な存在だ。教育に関係する幅広い人々が中心となり、さまざまな啓蒙活動を展開していた。

★ 私は大学院生時代、京都府立資料館で京都府の教育会雑誌と奮闘した記憶がある。戦前の教育を研究する際に教育会が発行した機関紙は実に貴重でありがたい資料である。

★ その内容は、海外の新思潮の紹介、著名人の講演の記録、地方の通俗教育(社会教育)のありさまなど多彩だ。

★ 教育会をめぐっては梶原氏のいくつかの力作を拝見したことがある。教育会雑誌の所蔵をリストアップされた資料を拝見した時にはびっくりした。今後戦前の教育史を学ぶものにとってはこの上もなくありがたい資料であろう。

★ 余談になるが、岐阜県立図書館のホームページで「岐阜県教育史」の目次が公開されている。それを見てまたびっくりした。すばらしい。この傑作を参考に各地で史料が掘り起こされ「教育史」が編纂されればありがたい。

★ 本著「近代日本教育会史研究」はこうした梶原氏の研究を背景に、中堅、若手の研究者が腕を振るった力作だ。詳細はまだ読んでいないが、目次を見るだけで研究者の元気のよさが感じられる。

★ 「地方改良運動期」の学校のあり方の研究で知られる笠間賢ニ氏。今後の研究がとても楽しみな広島大学の白石崇人氏や東北大学の佐藤高樹氏。白石氏、佐藤氏はブログを拝見していて研究への熱意がひしひしと伝わってくる。すばらしい。

★ 学校経営の分野ではかつて木岡一明氏を中心にTESS研究会があり、「大学における教員養成」の歴史的研究などいくつかの力作を残したが、研究会を通して成長していく研究者の姿を見て、すごいなぁと感心したものだ。

★ 研究者は命を削って研究に心血を注ぐ。論文を1本書くと寿命が縮むともいう。論文がまとまったといってもその余韻に浸るのはほんの一瞬で、次の課題が待ち構えている。実利を追求すればこれほど縁遠いものはないだろうが、あふれ出る知的好奇心に寝食を忘れる研究者の姿はすばらしいと思う。

★ そしてその成果を比較的廉価で共有できることをありがたく思う。
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