じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

自治民育

2008-05-05 23:59:50 | 教育
地方改良運動期における小学校と地域社会―「教化ノ中心」としての小学校 (学術叢書)
笠間 賢二
日本図書センター

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★ 久々に学術書を読んでいる。

★ 私は学校経営史に興味があり、特に大正期から昭和初期の学校経営に関心がある。その研究をする中で、明治後期に文部省が模範小学校を選定していたことを知った。

★ この頃、「学校経営」という表現も多く見受けられるようになってくる。義務教育期間の拡大にともなって学校規模が大きくなり、学校がますます組織的に「経営」を意識するようになってきたのかなと思っていた。

★ 本著を目にして、「地方改良運動」が学校のあり方、教員のあり方に変化をもたらしたという視点にひかれた。

★ 内務省中心に「自治民育」が主張される中で、学校が「教化ノ中心」としての役割を担わされたという。実に興味深い。

★ 本著は学術書である。科学書である。吟味され凝縮された問題意識。科学的手順を踏んだ研究方法。緻密な資料の分析がベースになっている。

★ 著者が真剣勝負を挑んできているので、読者の方も覚悟して読まねばならない。今、序章を読み終わったが、著者が平井論文を叱責、批判するところでは背筋が伸びた。

★ 先回りして「あとがき」を垣間見てしまったが、歴史研究に関心をもつものとして、通じるものがあった。偉大なる研究の成果に賞賛を禁じえない。

★ さて、期待を胸に本論を読み進めよう。
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