じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

目に見えない仕事の美しさ

2008-05-13 11:23:46 | Weblog
★ NHK「仕事の流儀」の再放送を見た。寿司職人、小野二郎さんを取り上げていた。82歳にして現役、今尚、「おいしさ」を追求されている姿に感動した。

★ 人はややもすると結果しか見ず、その結果を見て、あこがれたり、妬んだりするものだが、果実を結ぶには大変な苦労があるんだなぁと思った。

★ 小野さんの握りの技は言うまでもないが、カウンターに立つ前の仕込みの厳しさ、カウンターに上がってからのお客さんとの真剣勝負、どれもすごい。

★ 仕入れから始まって、下ごしらえのワザ。出す寿司の順序。店のつくりや道具までの細やかな配慮。1つの「にぎり」が完成するまでには、長年の経験に裏付けられた実に繊細な作業が隠されている。

★ 1つの「にぎり」だが、それはまるで総合芸術のようだ。

★ 先日、黒澤明監督の映画作りのドキュメンタリーを見たが、映画作りにも通じるものがありそうだ。気の遠くなるようなリハーサル。薄い紙を一枚一枚重ねるような作業だと俳優が言っていた。ムダとも思えるこの作業だが、この作業を経て始めて、役者が登場人物と一体化するという。

★ 本物を追求するというのは、気の遠くなるような手間、ヒマ(時間)、カネがかかるものだと思った。

★ 私は「果実」をおいしく頂くだけだが、その背後には途方もない物語がある。それがあるからこそ「果実」の美味しさが醸し出されるのだろう。

★ 裏では汗水流して、四苦八苦し、お客さんの前では何もなかったかのように「果実」を出す。粋だなと思う。
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