じゅくせんのつぶやき

日々の生活の中で感じた事をつぶやきます。

教育改革のスピード

2006-08-30 23:46:57 | 教育
★ 東京大学の研究機関が公立小中学校の校長を対象とした調査を行い、その結果、約9割の校長が学力格差の拡大を懸念し、また同じく約9割が教育改革のスピードが速すぎると回答していると言う。

★ ここ10年ぐらいの間、確かに学校は大きくぐらついてきた。「新しい学力観」「生きる力」「総合学習」「百ます計算」・・・いろいろの言葉が飛び交ってきたが、何かが発送されるたびに教師達は奔走し、結局疲れ果てただけで、何が実になったのかわからない。

★ 学力格差の拡大を危惧し、基礎基本の充実と知識に偏らない総合的な学力をめざした「ゆとり教育」。週5日制の導入もあって、教育内容が大幅に縮減され、これなら多くの子ども達がおおよそは習得できるであろうと実施されたが、結果はひどいものだ。どんなにレベルを下げても、勉強をする子はするし、しない子はしない。レベルを下げることによって、勉強をする子の到達度まで下がってしまった。レベルの引き下げは大人の要らぬ配慮だったのかもしれない。

★ 確かにこの結果には弁解の余地がある。当初から「学力低下」を危惧する声に押されて改革自体が中途半端な形で挫折してしまったからだ。この点、さぞかし寺脇研さんは無念だっただろうと思う。社会全体の風潮も逆風だった。小泉さんも教育には熱心ではなかったし、せいぜいが習熟度別授業の導入を自負する程度だ。親の意識も変わった。学校の役割が教育サービスとなる中で、学校は消費者である親のクレームにさらされ、お客様である「お子様」の顔色を伺うようになった。

★ スピード感を持って教育改革を実行することは悪い事ではない。校長達が指摘することは、スピードと言うよりもむしろコロコロ変わる政策についていけない、何を信じて教育なり学校経営なりをしていけばよいのかわからないと言うことだろう。

★ 教育は国家百年の計というが、今国家には明確な方針がない。根っこがぐらつけば、枝葉がぐらつくのは無理もないことだ。「不易流行」と言う言葉があるが、教育はしっかりと根を張ってもらわなくては困る。国民は腹をくくってこれからの教育を考えていく必要があると思った。
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