未来のエンジン

科学は日々進歩しているが、世の中にはまだ解明されていないことがたくさんある。私はそういうものにワクワクする。

高校の時は物理が好きでアインシュタインを尊敬していた。アインシュタインといえば相対性理論だが、彼が凄いのは理論的に存在を予想したことだ。私のような凡人には到底理解できないが、まだ見つかっていないものを理論的に存在するはずだと予想し、技術の進歩でのちに発見・証明されたものも多い。これを100年以上前にやっているのだから本当にすごいと思う。

さて、今回私が取り上げたいのは「ＥＭドライブ」と呼ばれている未来のエンジンである。これは、2000年にイギリスの航空宇宙技術者であるロジャー・ショーヤーさんが提唱したものだが、アインシュタインの相対性理論とは逆で、世の中に存在しているがその原理がわかっていないという不思議なものだ。最近、「動作原理が判明したかも？」と話題になっていたのでご存知の方もいるかもしれないが、知らなかった方はワクワクを共有していただきたい。

「ＥＭドライブ」のは、ガソリンのような燃料は一切不要で、円錐状のコーンの中でマイクロ波を反射させるだけで推進力が得られるという画期的なものだ。不思議なのは現実的に推進力が得られることは実験からわかっているが、なぜ推進力が得られるのかが10年以上が経った今でもわかっていないということだ。

一番期待されているのは、宇宙船の推進装置としての実用化だ。太陽光が届く範囲であれば、燃料切れの心配がなく永遠に動き続けることができる。また、燃料切れを心配することなく加速し続けることができるため光の速度を超える速度での移動が可能となり、いわゆるスタートレックのワープ航法が可能になるかもしれないというのだ。

最近の「ついに動作原理が判明したか？」というニュースでは、「ウンルー効果」という原理によって推進力を得ている可能性がある。という発表だったようだが、ウンルー効果自体が実際にその存在が確認されていないというオチがあった。
スタートレックの世界はもう少し先のことになりそうである。

（岳）

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