冷静さ

5月突入です。既に楽しい楽しいGWは過去のものとなり、10日間のうちに忘れていた事を思い出したり、生活リズムを平日パターンに戻すのに苦労している毎日です。しかも思い出すのは厄介な事や面倒な事ばかりなのは世の常で。働けど、働けど、わが仕事楽にならずじっと手を見る、暇があったら仕事をしないと回らないよね、と今年も五月病になんとか罹らずやっている毎日です。皆さんご機嫌いかがでしょうか。私はいろいろな意味でブルーです。


さて、本題の「冷静さ」です。

ちょいと前から世間様ではIT、ITなんて騒がれまして、まあいろいろなものをコンピュータ様が操ったり知らせたりしてくれる大変ありがたーいものらしいです。
まあ関わっている職人さんたちから言わせてみれば、そのうち「あ痛えー」「あ痛えー」なんて聞こえてくる様になってしまう事がどうも多い様で。世の中ってえのはそうそう楽な仕事は無いもんですなあ、と思った次第でございます。

「親方てえへんだ、てえへんだ！」
「おいおい八っつあんいったい何が大変なんだい。」
「とにかくてえへんなんですよ！」
「まあまあひとつ落ち着いてお話しよ。」
「隣の長屋の熊の野郎に作ってえくれと言われたシステムなんですがね。」
「おお、たしか三月程前からやってたあ、つうアレかね。」
「そう、それなんですがね、あの野郎、さんざん言いたい事を言って今更金は払えねえなんてぬかしやがって。」

落語調で書き出してみましたが、まあこの業界で起こるトラブルの99%は人対人のコミュニケーションロスによるものがほとんどです。もうちょっと落語を進めて実例を挙げたかったのですが、本日はここらが限界なのでまたの機会で。

システム開発というのは因果なもので、人間がやろうとしているアナログな事を0か1かのデジタルにしようというのですから、いろいろと歪みが出て当然なのですが、その大変な作業には膨大なコミュニケーションが必要になることを忘れてはいけません。
「これでいいや」「多分こうだろう」「面倒なのでこのままで」なんてのが1か所でもあれば本来はデジタル化出来ないものなのです。

基本ロジカルに仕事がしたいものですが、人間は感情に支配される生き物です。
まだ「面倒だから」は是正が利きやすい範囲の原因ですが、これが
「あのひと怖いから」
「あのひと面倒だから」
「あのひと嫌いだから」
となってしまうとちょっと是正は難しくなってきます。
対人関係の感情に絡んだ問題は得てして陰に隠れやすく、監視や改善が非常に難しい問題として地雷の様に居続けるからです。


礼記に「愛してその悪を知り憎みてその善を知る」ともあります。愛憎にかられて理性を曇らせる事なく、善悪、長所、短所を素直に、冷静に認めなさいという儒学思想ですが、システム開発現場でも最低限の冷静さは持ってコミュニケーションをしていきたいものです。仲良しになれ、とは言いませんが。
それでトラブルが減る事を願ってやまない今日この頃ではあります。皆、八っつあんにならない様に気をつけましょう。


「刑事長、大変です！」
「おう、既に他でも大変すぎて笑うしか無い状況だが、何だ言ってみろ！どんとこい！」
「(；゜д゜) ・・・ 」


これは冷静と言えるのか言えないのか。


おあとがよろしいようで。

（刑事長）


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