卍の城物語

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大円寺

2009-11-26 14:49:16 | 神社・仏閣
大鰐町蔵舘にある「大円寺」に行ってきました。

大円寺には国指定重要文化財の阿弥陀如来像が本尊として祀られています。
しかし、この本尊は古くから大日如来として崇められているのです。境内や本堂にもちゃんと「大日如来」と記されていまます。

大日如来は密教の真言宗の本尊であり、宇宙そのものを神格化たのが大日様です。
阿弥陀如来は浄土宗の本尊であり、極楽浄土に住み、全ての人を極楽へ導くとされているのが阿弥陀様なので、大日如来とは全く違います。

まず朱色の門から2体の仁王像が迎えてくれます。
そして本堂へ入ります。本堂も朱色が生える美しい建造ですが、建て替えられた物なので、比較的新しさを感じます。

奥に本尊の阿弥陀如来像がガラス越しに見えます。安全と保存のためにガラスで遮ってるのでしょうか。
阿弥陀如来像の下には不動明王像、愛染明王像、そして大日如来像があり、この三体は比較的新しいもののように見受けられます。

本尊の阿弥陀如来像は平安末期から鎌倉初期に作られたもので、総ヒバ使用の寄木造りです。1650年には京都で修復されています。
津軽地方では最古の仏像とされています。

かなり大きい阿弥陀如来坐像です。しかしどうみても大日如来とはフォルムが違います。
さて、なぜ阿弥陀如来なのに大日如来として信仰されてきたかですが、諸説あります。

一番に信じられていた説は、胎内仏として阿弥陀如来の胎内に大日如来が納められていたという説がありますが、近年の調査によって仏像内には何もなかったというのが証明されています。

また、これが有力な説ですが、真言宗では阿弥陀如来を大日如来に見立て、信仰してきたという歴史があると文献に載っていたようです。
それが密教ならではの慣わしだったと推測されます。

大円寺の住職によると、大日如来は阿弥陀如来や不動明王に姿を変えるとされている、とお話されるようです。

そんな謎めいた御本尊は、輝しい光を放って堂々とお座りになっておられます。

もともと大円寺は弘前の銅屋町、現在の最勝院がある場所に構えていたのですが、明治の神仏分離令によって現在の大鰐に移っています。
弘前の年配の人たちは最勝院のことを未だに大円寺と呼んだりしていて、その名残が窺えます。

境内には本堂の他、観音堂、金毘羅大権現、地蔵堂、三十三観音石像があります。

大円寺は未申の一代様としても知られてますが、何故か門には牛頭が形取られたものや、牛の石像があります。
これは京都での修復を終えた阿弥陀如来像を牛が運んだきたので、それを労っての事だそうです。

歴史ある如来像、歴史ある温泉。大鰐町が一層有り難く思えた時でした。

住所・大鰐町蔵館字村岡12
電話・0172-48-2111

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