金銭がらみの個人的な話を題材にしたような話はけっして品のいいことではないし、なかには眉をひそめる向きもあるだろうが、目下の関心事をありのままに書き記すのが我がブログのモットーなのでこの際、大目に見ていただこう。
ほら、「物言わぬは腹ふくるるわざなり」(「徒然草」)とあって、「悩みや言いたいことを胸にしまいこんで我慢していると精神衛生によくない」という言葉もあることだし~。
「エコノミー=節約」 → 「エコノミクス=経済=経世済民=世をいとなみ民をすくう」 → 「アベノミクス」とは、誰が名付けたか知らないがうまい表現だと思う。
11月中旬に自民党の安倍総裁が金融緩和を提唱してから、円安がすごい勢いで進行している。昨日(5日)には88円台にまでなって、自動車などの輸出関連産業はきっと喜んでいるに違いない。あのトヨタ自動車は1円下がっただけで350億円の儲けになるというからすさまじい。
しかし、日産のカルロス・ゴーン社長は元々「1ドル=100円」あたりが「中立的な領域」と言っているので、単に振れ過ぎた振り子が戻っている状況なのかもしれない。
ところで、実は我が輩もトヨタの350億円とは月とスッポンだが、ひそかにその恩恵にあずかっているひとりである。
数年前に非常にささやかな退職金の一部を割いて「ドル建て債」を購入させられた。株式も含めて「紙切れ」同然のものに投資するのはあまり趣味ではないが、カミさんの仕事がらみで否応なく付き合わされた次第。
「まさか、あのアメリカが破産することはないでしょう。そうなったらもう世界は終わりよ。」のカミさんの甘言に「それもそうだな」と、つい乗せられてしまった。
10年満期の年利4.4%の複利計算で、当時は「1ドル=114円」の時代だった。満期時には元本の1.5倍になるという、まことに期待に満ちた机上の計算だったが、周知のとおりあの「リーマンショック」でドルが大暴落。
一時は円が1ドル当たり75円までになってしまい、まったく「取らぬ狸の皮算用」になってしまった。満期時に受け取るはずのドルの額は既に分かっているが、ちょうど「1ドル=75円」のときが損益分岐点となる計算。
当時、さらに「1ドル=50円台」になるとまで、無責任なことを言っていた経済評論家もいたりして、大いに悲観したものだった。結果的にウソをついた経済評論家は流言蜚語の罪で懲役刑にしろ(笑)。
「まあ、元本が減らないだけ”いい”とするか、銀行に預けておいてもあの低金利だしなあ」と、自分を慰めていたところ、このところの急上昇でウハウハ状態。
何せ1ドルに対して円が10円上がると、プリウス1台分がタダになる計算なのでけっしてバカにならないし、新年早々からご機嫌なのもお分かりいただけようというもの。
近年のアメリカは国内の不景気をドル安で乗り切ろうと金融緩和による輸出振興策をとっているので、このところの円安に対して(アメリカ政府が)何らかの不快感を示すはずだが、ネットでは今のところ表だった反応らしきものは無いとあった。
安全保障上、完全にアメリカの保護下にある日本は政治・経済全般にわたって(アメリカ政府の)鼻息を伺わなければならないのがつらいところだが、アメリカのエネルギー事情が国内に膨大に眠っているシェールガス・オイルの新技法による採掘によって好転し、そのうちエネルギー大国になると喧伝されているのでその余裕が成せるわざだろうか?
このエネルギー事情の明るい展望も「強いドル」回帰への好材料である。
とにかく「アベノミクス」によって円安傾向になってくれたのは実にありがたい。いつぞやのブログで、自民党凋落の原因となったA級戦犯は安倍氏であり、今回の総裁選に立候補したものの「果たして大丈夫かいな」と、悪口を書いたがまったくその不安を裏切る好スタートである。
衆議院の任期は4年なので少なくともあと3年以上は自民党政権だろう。我がドル建て債券の満期もあと3年余りの辛抱だ。
どうか安倍さん、これからもこの勢いで突っ走ってくれえ~(笑)。