と き 2009年5月31日(日)、くもり後晴れ、海上ときおり強風
と こ ろ S市O島S地区防波堤
釣り時間 8時10分~16時20分
汐 小潮(満潮12時前後)
釣 果 クロ(メジナ)500gクラスが7匹、手の平サイズ10匹前後
写真1 写真2 写真3
写真4 写真5 写真6
前回の「釣り紀行♯44」では釣行するときに慎重を期して自分自身で勝手に定めた「四つの避ける」を守りたい旨記載していたのだが、その”舌の根も乾かない”うちに二つも破ることになった。
一つは「釣り人が多いので土曜、日曜は避ける」ことと二つ目は「汐のタイミングが悪いときは避ける」というもの。
しかし、これもすべては母(92歳)の介護に急遽福岡からやって来た姉に新鮮な魚を食べさせてやりたい一心からで月曜日にはもう帰福するというので仕方なく日曜日の釣行となったもの。汐の方も小潮と最悪のタイミング。世の中、そうそうは自分の思惑どおりに運ばない。
「思うようにいかないのはね、生きてる証拠よ」とは40数年前に88歳で亡くなった「おばあちゃん」の口癖だったなあ~。
しかし、結果的にはこの選択が好結果を生むのだからホントに先のことは分からない。
当日は釣り人が多いことを予想して場所取りを優先に早朝の5時45分に自宅を出発。前日にマキエの解凍を予約していた釣具店経由で港に着いたのが7時30分。
今回は時間の余裕に恵まれたのでフェリーの利用を止めて渡し舟でO島に渡ることにした。なにしろ「乗船時間が片道5分で往復3,200円」という「日本で一番料金の高いフェリー」を釣行のたびに利用するというわけにはいかない。自分はそれほど恵まれた身分ではない。とまあ~、要するにケチということかも。
港の無料駐車場にクルマを置き、手押し荷車に釣り道具を積んで停泊中の渡し船(S地区往き定期便)の船長に交渉してみると何と往復1,000円でいいという。それも直接防波堤に横付けしてくれるそうで思わずバンザイと心の中で叫んだ。今回に限らずこれからはこのパターンでいけるので気持ちのほうも弾む。
小学校の「日曜学級」とかで数名の先生たちと一緒に7時40分発の船に乗り込んで(写真1)S地区の防波堤に着いた(写真2)のが8時ごろ。日曜日なので混雑しているかと思いきやこれが全然釣り人がいない。美味とされる梅雨グロの時期にはまだ早いし、この時期あまり釣れないというのがその理由だろうが、この調子ならこれから土曜、日曜の釣行も視野に入れられるのでこれは大きい。
肝心の汐の具合は小潮ながら「午後からの引き潮が勝負」と初めから踏んでいたので午前中は努めて”場荒れ”しないようにボツボツとマキエする程度。ボーッとしながら海上の空気を胸一杯吸い込んだりと余裕の中、見物にやってきた近くに住むご老人の話に適当に相づちをうっていると、相手をしてあげたのがよほどうれしかったのだろう、防波堤用の階段梯子(写真3)を離れた場所からわざわざ持ってきてくれた。ホントに親切なご老人に感謝、感激!
そうこうするうちに11時30分頃にウキ下3.5m前後の深仕掛けでいきなりウキ(釣研の「ど遠投」2B)が海中に沈み込んだ。
全く予想していなかったアタリなので先手を取られて大慌て。それにしてもスゴイ引きでぐんぐんと海中にもぐり込むのでそうはさせじと引っ張り合って7.2mのチヌ竿(胴調子)が弓なりに。ハリス0.8号と細仕掛けなので「大丈夫かな」と一瞬不安がよぎる。いつも最悪のことを考えるのは釣り師の宿命か。
短い竿ならおそらくハリスが切れていたと思うが長竿の弾力を最大限に生かしてようやく海面上に魚の口を出させた。こうやって空気を吸わせると一気に抵抗が少なくなる。チヌ(黒鯛)の引き方とは違うと思っていたが予想どおりクロ(メジナ)だった。それにしても結構の大物。久しぶりにタモを使って掬い上げたが長竿なのでタモの操作にこれまたひと苦労。
丸々と太ったクロとやっと対面したが(写真4,5)自宅に帰って計ったところ510g(写真6)あった。
防波堤にしてはかなりの大物に思わず顔が綻んだがそれからがまたさっぱりこない。魚だって命が掛かっているんだから仲間が釣り上げられたのを見て警戒警報なんだろう。マキエに狂ったときは別として魚は結構「学習効果」が高いのである。
そして午後になってマキエの渦が横に早くなりようやく汐が動き出したと思った途端にクロが食欲を出してきたとみえ海面付近まで浮いてきだした。こうなったらしめたものでいつものパターン、早速ウキ下60cm程度の浅仕掛けの竿に変えて入れ喰い状態に。
ほとんどが手の平未満のサイズでリリースが多かったが、ときおりさっきみたいな大物クラスが混じってくる、結局しぶとく粘って500g前後が7匹ほどの見事な型ぞろい、手の平クラスは10匹前後。今日はタモが大活躍だった。
満潮(12時)と干潮(18時)の間の海面の高低差が少なく汐の流れが緩いのが小潮の宿命なので比較的早く食いが止まって16時頃から大物が姿を見せなくなり残ったマキエを捨てて納竿は16時20分。
教えてもらった船長の携帯電話に連絡すると、16時30分発の船の姿が見えたら手を振ってくださいと言われたので、掃除を済ませた防波堤の上から大きく手を振ると汽笛を鳴らして応えてくれた。やれやれ、これで無事帰れるとホット一息。
帰りは疲れきっていたので高速道を利用して別府までひとっ飛び。18時には自宅着。今回は悪条件にもかかわらずかなりの「型ぞろい」で、しかも今後に道筋がついた釣行だった。