経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

触発について

2006年09月26日 | Weblog
 人にしろ、企業にしろ、進歩発展には、いわゆる「触発」が不可欠と思う。

 触発は、「触」だから、触れる相方が不可欠。ふれたら何か感じる。何か思う。これは創発と言う人もいる。ようは「思ったこと」は、間違いなく,イコール触発を受けたことなのである。そのふれあいがなかったら出てこなかった。
 「思いつきでものを言うな」とか「それ思いつきじゃない?」と、否定的意味合いを込めた言い方がありますが、もしそうなら、世の中みな過去のものや他者のコピーになる。新しいものは生まれない、と思っています。

 世の中のすべては、「つながり」でできていて、つながっているからこそ生きることができます。これを逆に言えば孤立していたのでは生存できないということです。なんらかの縁で数々のつながりができ、その中でとりわけ親和性の高いものが、群れ、あるいはグループやネットワークをつくることになります。そして群れは群れとして、相互に情報交換を行い、連携性を高め、群れの整合性の確率や精度を高くしていくことで、群れとしての機能性、目的が生じるとそれは有機的に結合され1つのシステムになる。個は、個として完全に独立を保ちつつ、こうしたシステムのもとに生きていくことになります。

私の仕事で言えば、企業診断や経営のアドバイスをするとき、この企業は、社会システムとの調和が計られているか。この発案は、全体システムに貢献するのか、この経営者の社外とのつながりはどうか、といった見方を意識的にするようにしています。
個の発展過程で、社会とのふれあいを小さくしている、孤立しているという要素があれば、これは黄色、あるいは赤信号と、いった見方をするわけです。

時としてシステムから制約を受けたり、仕切られたり、といった弊害も発生しますし、逆に個が全体システムのネックになる、といったことも発生します。だからといって、私たちは個とシステムの関係を否定しては生きられない。両者の関係がうまくいくように努力し続けなければならない。このことが社会を進歩発展させてきた原動力だ、と思います。
話が大きくなりましたが、こういうことを念頭において、人や組織を見つめ直してみると、存外に創発されることが多々発見されるのでは、ということ。
これが私の言いたいことです。