経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

「つながり」

2006年09月08日 | Weblog
 ずいぶん以前。卸業のMさんから、ご相談を受けたのがきっかけだった。

 卸業と卸先の小売店等と関係は運命共同的つながりにある。
それは、卸業の売上げは、一義的には客先の売れ行き如何によって決定づけられる、ということを意味する。広義では、客先が増収増益になれば、当社も増収増益になるということ。

狭義は、洗剤が売れれば、正比例してそれを卸している卸屋が売れるということである。これは客先の販売量を伸ばせば、それに付随している卸商材は正比例して伸びるという図式が存在している。

当たり前のことなのだが、ここであえて強調しているのは、私たちが空気の存在をかねがね認識せず生きているのと同様、この「つながり」の存在を認識して対処していないのでは、という私の思いからである。

逆に卸業の自社の裏上げに比例して、客先小売店、全体の売り上げが伸びる、といえるか。これはそうとは限らない。限らないどころか、逆にそのことによって、全体売り上げや収益は減少することだって起こりえる。当方は、客先に売れば、売り上げが上がる。だが客先は、当方の商品を入れたから必ず売り上げが上がるとは言えない。まずこの点を、頭に入れて置くことが肝要である。
このことが営業のあり方の本質に関わってくるからである。

「なんだ、営業ってこんなことだったのか」。

気づけば簡単なことでも、簡単だから気づくまで気づかないから、見過ごして、ある意味の大きな損失(機会ロス)を発生させた、というようなことは、周囲にごまんとあるのでは、と思った。
これが、「消費者中心主義」を提唱、理論付けと事例探求を始めた動機となった。また思考のツールとして、脳力開発でいう「つながりで考える」の実証にもなった。