経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

謙虚さ

2006年09月13日 | Weblog
 長い間、実践学会を始め、学会で、論文発表を続けてきた。
今年、父の死去などがあって、論文を仕上げる余裕がなく、久々に座長、コメンティター、そして聞き役に回った。

 鏡をひっくり返しても,映る風景は変わらないが、自分が逆立ちしてみると、風景はひっくり返って見える。問題は自分が逆立ちしていることに気づかず、風景がひっくり返っているがごとく思ってしまう。
 AとBが、対年の状態では、見える風景はまったく違う。口では、「相手の立場にたって」といっても、現実は立っていない。このことを意識して人と対峙することはこのことはきわめて重要なことで、常に意識しておかねばならないことである。

 わたしは、自分では常に当たり前のことをいったり書いたりしているのだが、「経営を知らないのではないか。異論だ、変わっている人だ」といいたいところを、必死に押さえて、気を使い「ユニークですね」とか「個性的ですね」といった言い方をされる。

 このことは、他者との差別化になり、独自性にもつながるから、むしろ私としては歓迎してきた感がする。だからといってことさら、変わった見方や考え方をスタンドプレーよろしくなしてきたつもりはない。ないが、人間は、と人ごとに書きたくなるが、実は自分のことだが、こんなことにしても慢心するもので、私から見たら、相手様の方が、逆さまに見えてしょうがなくなった。

 「理論と実践は違います」といった場合の、実践の立場に立って、やたらと「理論」をおかしい、と思うようになった。
 
 学会で話す立場から、聞く立場に立ったとき、そこに謙虚さ、素直さを喪失しつつある自分がポツンといた。もう遙か昔、診断士の受験勉強のために、講師の発するアカデミックな、自分の知らない理論や技法に、目を輝かし、聞き耳を立てた、あの時の自分とは違う、自分がここにいる。
学ぶのに年齢は関係ないが、謙虚さは不可欠と思った。