経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

経営トップの戦略レベル

2006年09月24日 | Weblog
自分で自分の自慢する人には、どこか人格的欠陥やあせりがあるといわれる。 
では強引かつ極論をあえて許していただけるとしたら、自分の会社や店、ものをあえて強くPRや宣伝するのは、どうみたらいいだろう。

もちろん知らしめること、消費者に浸透させることは、必要不可欠なことだから、微妙なところで、そのこととは区別されなければならない。
それを承知の上で、あえて重ねて問いたいのだが、自画自賛性向の強い、PR、宣伝はどうなのだろう。ここで「どうなんだろう」の意味は、道義的、倫理的問題ではなく、経営をトータル的にみて、是か非か。あるいはもっと露骨に、どちらがより得になるか、という意味である。

消費者に支持され、売れてしょうがないところでは、そうしたことは無用である。売れて行列、催促が殺到する企業に必要なのは、宣伝はない。営業パーソンでもない。配送係である。
 このことを考えたら、そうした早い話が売れてしょうがないものを創ることにフィードバックした方が企業としてのプラスなのか、ほっておいたらなかなか売れない商品せっせと作り、それらを宣伝力で売りさばく方がよいか。企業としては、この択一、戦略問題なのである。

 一方、買う消費者の是非、幸福度、満足度という方から、この問題をみたらどうなのだろう。通常、この消費者にとって如何、という側面が考慮されていない。
PR,宣伝といった部門的、あるいは方法的戦略以前の問題として、経営者は、「企業として」という側面と、「消費者として」という側面を、併せて判断するという戦略の根幹を忘れがちなのでではなかろうか。人の自画自賛には嫌悪感を覚えても、自社の自画自賛に消費者がどう感じ、どう思い、その結果どう動くか。経営トップであるなら、このレベルの戦略に力点を置いて欲しいものである。