経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

隠れ家を突き止める

2006年09月07日 | Weblog
そもそも売れないから値下げをするといった対処は、単に実勢価格への調整に過ぎず離れていったお客を呼び戻す対策とはいえない。

本質的対策は、お客が離れていった本当の理由がどこにあるのか、お店なのか、従業員なのか、提供している商品自体にあるのか、サービスに問題あるのか、問題の隠れ家を突き止め、そこへ価値そのものをお客の求めるレベル以上に引き上げ、選択優位性を確保し、比較競合力を増すことに尽きる。
 
よく笑えないジョークとして、話すことだが、実際に私が体験した事例である。
POSで細かな売れ筋把握に努めていたお店が、そのデータを活かしているにもかかわらず、売上不振に陥った。
 理由はすぐわかった。当店の品揃え全体が、一言で言えば売れ筋外の商品で占められていたのである。まさに売れ筋は、内になくて外にあり。これではPOSも、ノルマ制度、陳列やレイアウトの変更も、まったく役に立たないのは当然である。
こうした例は、実に多い。

低価格なら売れるとか、競合対策上の低価格路線といったことは、消費者を論外に置いた企業の論理であるだけではなく、いわゆる的外れの対処であることが多いのである。

まずは、問題の隠れ家を突き止める。対処はそれからである。