今年の児童文学者協会の協会賞は、いとうみくさんの『真実の口』でした。
中学生三人が迷子を保護するところから始まります。それだけ書くといい話になりそうですが、いとうさんのタッチで、どんどん物語は奥深くひろがっていきます。
いとうさんは、たくさんの賞をとられているから、協会賞、まだだったの?って思うほどですが、この作品でとってよかったなと思いました。
現代の問題を真実の口というモチーフとよくからめてあるなと思いました。
明日は、協会賞などの贈呈式があり、そのあと、出版社さんの声かけのいとうみくさんのお祝い会もあります。
わたしも行かせてもらいます。ひとこと、「おめでとう」をいいたいから。
また、その贈呈式の前には、学習交流会があります。今回は、編集者さんのお話ということで、大人気。
満員御礼で札止め状態。みんな、本をだしたいから、編集者さんがなにを思っているか、知りたいのでしょう。
とくに出版不況で今は、刊行する本の数がへっています。
わたしは、母の退院などがあり、学習交流会は行けません。いちおうオンラインを申請してありますが、全部は聞けないと思います。
母は小さく具合を悪くすることが多くなりました。97才だから。
物忘れもみごと。三秒前にいったことを忘れます。何度も同じことをいいます。
でも、昔のことはよく覚えています。
ただ、母の記憶は、覚えたいように書き換えられています。母の真実とわたしの真実はちがっています。
父のなくなるときのこととか、母は自分なりにストーリーをつくっちゃっているんですね。
母は絶対まちがってないといいはるし、わたしはわたしで、自分の記憶を信じたい。
そう思うと、記憶ってあいまいで不確かなんですよね。
自分の都合で覚えてたり、覚えてなかったり……。
最初にもどりますが、『真実の口』っていいテーマ、人の数ほど、記憶も真実も、あるんだろうな。