赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『空の手』新井けいこ、新刊

2023-09-18 18:04:54 | その他

新井けいこさんが新刊をだされました。

空の手というのは、空手の話。主人公が作文に小さいとき、空手と書こうとして空の手と書いてしまったとか。

スポーツものは、うまくなって試合にでて、勝って、負けて、また強くなって……という王道ストーリーがありますが、この作品はちょっとちがいます。

小学生で始めた空手を主人公のソラも、ソラをはげましてくれた遙人も一端、やめてしまいます。

でも、ソラに誘われてはじめた航太は続けています。その関係をかいています。

うまいがゆえに続けられなかった遙人、だれになにをいわれても動じずに続けていける航太、中学になってあらためて、やめた空手が好きなことに気がつく主人公。

三人それぞれの気持ちが書かれています。

試合に勝てないで、やめてしまった主人公も、「わたしはわたしのストーリーをつくる」と、空手をまたやろうと心を固めます。

勝てるから続けるのではなく、空手の道を究める空手道を行こうと。

そのあたりが、よく書けていると思いました。

勝つか、負けるか だけでなく、自分なりに空手の道をすすむというのもひとつのスポーツとの向きあい方だなって思って。

そういう作品、少なかったなっと。

ほら、おじさんがヨレヨレになっても野球をやっていたりします。元来、スポーツは楽しいはず。

勝ち負けだけにこだわらなくてもいいですよね。

そんなことを感じさせてくれる良作です。読んでみてください。

 

さて、今日は用事があって、立川に行きました。

オリオン書房ノルテ店は大好きな本屋さんなのですが、行くたびに縮んでいきます。

ガチャガチャコーナー、文具コーナーとかが広がっていって。

本はネットで買うのかな。わたしもそういうこと、多いけどね。

でも、新しい本とのぐうぜんの出会いが楽しめるのは本屋さん! なくなってほしくないんですよね。

だから、応援したくて、本を三冊も買っちゃいました。

みなさん、本屋でも本を買いましょうね。がんばれ、本屋さん。立川オリオン書房、応援しています!!!