赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

『ことづて屋』 寄りそう人 濱野京子

2017-03-23 08:59:03 | その他
昨日の夜、うちのまわりには消防車の音がして、なんか寝不足です。何があったのか? ヘリコプターまできていたみたい(^^;)

『ことづえ屋』の三巻目がでました。濱野京子30冊目の本だそうです。
山門津多恵が頭に聞こえてくる死者の伝言をつたえるシリーズ。死者の伝言なのだから、重くないわけはありません。けど、そこにじーんとくるドラマをまじえるのが作者のうまいところ。今回も五つの伝言にまつわる、物語があります。今回のテーマは愛かな? 


まず、津多恵のキャラが逸脱です。化粧をすると、心持ちが変わるってところが、女心をよく現しています。そして、方向音痴のところも。
伝言にまつわるドラマとともにもどかしく心が動いていたのは、山門津多恵と恵介のふたりの距離感。
津多恵がいじらしくなるくらい、奥手で、しっかししなっていいたくなり、応援しちゃいます。
それが、最後、いい感じにむかっていって、なんか、よかったっと思いました。
「ご縁があるんだね」「ほんとうに、きれいになったね」って、すてきな言葉をいいところでつかっていますね。

あとがきで、濱野京子さんは、

物語としての「ことづて屋」は、この巻で終わりますが、津多恵の仕事は、まだしばらく続きそうです。そして、今を生きる私自身が、一人の書き手として、何をかくのかと問いながら筆をとる日々もまた、続きます。

と書かれています。作家として、自覚をもっていく姿勢に感銘しちゃいました!
弱音ばかりはいている自分に、30冊、めざすぞ!なんて活をいれたりして。

ただ、今朝の日本経済新聞、アマゾンが取り次ぎを通さないで本を売るというニュースはびっくりしました。これから本の業界は大きく変貌しそうです。その変貌がどちらに向かうのか? 本の作り手の良心とほこりは守られるのか。どうなんでしょうね。


春の我が家の植え込み。ちょっとお化粧したように撮ってみました。