赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

3月のライオン

2011-07-29 07:00:31 | 日記
病院というのは、待ち時間がなんとも多いところです。ただ、父の入院した病院には、漫画の本だながあり、たくさんそろってました。
その中から、前々から気になっていた『3月のライオン』羽海野チカを読みました。
講談社漫画賞、授賞作であり、作者の名字が長すぎるのでは??とかで、どんな人の書いた、どんな漫画か気になっていました。将棋のでてくる、成長物語でした。
将棋の勝負の場面、なかなか読ませます。棋士、ひとりひとりの個性がよくかけているからでしょう。
わたしは、こたつのような家族は、どうもリアリティを感じませんし、「女性は家庭的がいい」みたいな印象がいまひとつ好きになれません。
それでも、主人公が棋士として、戦っていく場面は、じりじりする迫力があり、応援したくなり、続きが気になります。勝負の世界は厳しいのね。棋士たちは、プライドをかけて、力のかぎり殴り合っているような、そんな息遣いまでが伝わってきます。盤の上の知的ボクシングのよう。

負けが続いた老プロ棋士が、「将棋が好きか」と聞かれる場面があります。
鳴かず飛ばすの戦績の棋士です。
「勝った時は、叫びだす程嬉しくて、負ければ内臓を泥靴で踏みにじられるように苦しくて、世界中に生きてる価値なしといわれたような気持ちにさいなまれた……。
なのに、それなのに、やめられなかった、この気持ちをそんな簡単な言葉なんぞで言いあらわせるか……。」
とても迫力があり、胸にせまってきました。かくゆうわたしも、売れなくてもボツになっても、やっぱり書くことをやめれないだろうからです。

アマゾンをのぞくと、レビューは一巻だけで80件。大変な人気なもよう。

タイトルの「3月のライオン」"March comes in like a lion"は、“March comes in like a lion and goes out like a lamb. ”(『三月は獅子のようにやって来て、羊のように去っていく(3月は荒々しい気候とともに始まり、穏やかな気候で終わる)』)というイギリスのことわざの一部より取られているそうです。

気になる方は、手にとってみてください。