赤羽じゅんこの三日坊主日記

絵本と童話の本棚
日々のあれこれと、読んだ本のことなど書いていきます。

箱庭図書館

2011-07-27 08:03:06 | 日記
話題作の『箱庭図書館』乙一を読み始めました。おもしろかった
乙一というのは、そうとう屈折した作家です。けど、その屈折具合が読者の胸になにかしらの傷というか、思いを残してくれます。



これは企画作品で、しろうとさんの書いたボツ原稿を乙一がリメイクして作品にするというもの。リメイクする前のビフォアーの作品は、こちらで読めます。
これを読むと、あまりの違いにびっくりしてしまう。作家の筆力、構成力ってすごいとも思う。最初の「小説家のつくり方」という作品なんて、くらべてみると、少し負の部分を加えるだけで、こんなにも作品のうったえてくるものが違うのかと、うなってしまうほどです。まあ、乙一作品の好き、嫌いはあるでしょう。
読んでいると、この人、そうとうコンプレックスをかかえているなっと思うし、自意識も高いだろうし、友達は少なかっただろうしっと予測してしまいます。作家が天職なんですね。
わたしは、根っこは暗いほうなので、乙一テイストはかなりに合います。ただ、乙一ほど、負の部分をうまくだせません。豊富な語彙と筆力があって、あの世界もできあがっているのでしょう。

それにしてもおもしろい企画です。サイトには、読者による毒舌王決定、なんて企画まであります。こわくて、中は見ていませんが……。