創世記 4:1-7
人はその妻エバを知った。彼女はみごもり、カインを産んで言った、「わたしは主によって、ひとりの人を得た」。 彼女はまた、その弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。 日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。 アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。 しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。 そこで主はカインに言われた、「なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。 正しい事をしているのでしたら、顔をあげたらよいでしょう。もし正しい事をしていないのでしたら、罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません」。
アダムとエバに二人の子が生まれ、兄のカインは農耕民族、弟のアベルは遊牧民となりました。二人とも神に供え物をしましたが、神が顧みられたのは弟アベルの捧げものでした。なぜならアベルは群の初子と最も良いものを神に捧げたからです。神は捧げものそのものよりも、捧げる心を喜ばれます。しかしカインは神の御心を悟ることができず、憤慨して神から目を背けました。いわゆる逆ギレです。神から目を離すこと、背くことは罪の始まりです。神はそのことをも警告されましたが、聞く耳を持たず、憤りに心が支配されてしまったカインは、更なる重大な罪を犯すこととなります。私たちは怒りや悪しき思いに支配されてしまわないよう、心を正しく治める必要があります。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.1-7.ja1955
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創世記 4:8-12
カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。 主はカインに言われた、「弟アベルは、どこにいますか」。カインは答えた、「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」。 主は言われた、「あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。 今あなたはのろわれてこの土地を離れなければなりません。この土地が口をあけて、あなたの手から弟の血を受けたからです。 あなたが土地を耕しても、土地は、もはやあなたのために実を結びません。あなたは地上の放浪者となるでしょう」。
捧げものが神に顧みられなかったことに逆上したカインは、捧げものが顧みられた弟アベルを逆恨みして、野に連れ出して殺害してしまいました。人類最初の殺人事件です。種の保存のためではなく、個人的な感情でいのちを殺めるのは人間だけです。神は弟アベルの血の報いとして、もはや大地はカインのために産物を出さないと厳しい宣告をされしました。アダムの罪によって勤労の実が結ばないものとなり、カインの罪によって大地が血に呪われたものなりました。罪の報酬は実に厳しいものです。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.8-12.ja1955
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創世記 4:13-15
カインは主に言った、「わたしの罰は重くて負いきれません。 あなたは、きょう、わたしを地のおもてから追放されました。わたしはあなたを離れて、地上の放浪者とならねばなりません。わたしを見付ける人はだれでもわたしを殺すでしょう」。 主はカインに言われた、「いや、そうではない。だれでもカインを殺す者は七倍の復讐を受けるでしょう」。そして主はカインを見付ける者が、だれも彼を打ち殺すことのないように、彼に一つのしるしをつけられた。
自らの犯した罪によってその地を追われることとなったカインは、神の厳しい裁きを聞いてはじめて、自らの罪はとても自分一人では負いきれないものであることを悟りました。しかし神はそんなカインのためにも、放浪生活の中でいのちを奪われることのないよう、一つのしるしを付けて、カインのいのちを狙う者は7倍の復讐を受けると、身の安全を保障されました。神は罪を犯した者のいのちをも守ってくださる、実に憐れみ深いお方です。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.13-15.ja1955
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創世記 4:16-24
カインは主の前を去って、エデンの東、ノドの地に住んだ。 カインはその妻を知った。彼女はみごもってエノクを産んだ。カインは町を建て、その町の名をその子の名にしたがって、エノクと名づけた。 エノクにはイラデが生れた。イラデの子はメホヤエル、メホヤエルの子はメトサエル、メトサエルの子はレメクである。 レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダといい、ひとりの名はチラといった。 アダはヤバルを産んだ。彼は天幕に住んで、家畜を飼う者の先祖となった。 その弟の名はユバルといった。彼は琴や笛を執るすべての者の先祖となった。 チラもまたトバルカインを産んだ。彼は青銅や鉄のすべての刃物を鍛える者となった。トバルカインの妹をナアマといった。 レメクはその妻たちに言った、「アダとチラよ、わたしの声を聞け、レメクの妻たちよ、わたしの言葉に耳を傾けよ。わたしは受ける傷のために、人を殺し、受ける打ち傷のために、わたしは若者を殺す。 カインのための復讐が七倍ならば、レメクのための復讐は七十七倍」。
いのちの保証を受けたにもかかわらず、カインは神の前から去って町を立て、自分の力で防衛しようと企みました。神に頼らず、自分に頼ろうとする傲慢な姿勢の現れです。そして、カインから生まれた子の系図が記されていますが、それぞれ自分の力で生き延びようとする人々の祖先となりました。殊にレメクは、父祖カインの報復を上回る77倍の復讐を自ら行おうとする、血で血を洗うことを是とする残虐な民となりました。今の中東諸国が報復合戦を繰り返しているのも、カインの子孫から始まったものです。平和を愛される神に背く者は、報復と殺戮を繰り返し、ますます罪の深みに陥ってしまいます。ここに人間の罪の恐ろしさがあります。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.16-24.ja1955
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創世記 4:25-26
アダムはまたその妻を知った。彼女は男の子を産み、その名をセツと名づけて言った、「カインがアベルを殺したので、神はアベルの代りに、ひとりの子をわたしに授けられました」。 セツにもまた男の子が生れた。彼はその名をエノスと名づけた。この時、人々は主の名を呼び始めた。
一方、カインとアベルを失ったアダムとエバは、もう一人子をもうけ、名をセツと名付けました。セツという名は「立てる」という意味があります。すなわちアダムとエバは神と人との関係をもう一度立て直そうとしたのです。そしてセツから生まれた子孫が、神を呼び求める人々となりました。私たち人間はたとい失敗を犯してしまっても、再び立て直すことができます。過ちに気付いたならば、神の下に立ち返ってやり直すことのできる希望が私たちにはありますから感謝いたします。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.25-26.ja1955
人はその妻エバを知った。彼女はみごもり、カインを産んで言った、「わたしは主によって、ひとりの人を得た」。 彼女はまた、その弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。 日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。 アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。 しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。 そこで主はカインに言われた、「なぜあなたは憤るのですか、なぜ顔を伏せるのですか。 正しい事をしているのでしたら、顔をあげたらよいでしょう。もし正しい事をしていないのでしたら、罪が門口に待ち伏せています。それはあなたを慕い求めますが、あなたはそれを治めなければなりません」。
アダムとエバに二人の子が生まれ、兄のカインは農耕民族、弟のアベルは遊牧民となりました。二人とも神に供え物をしましたが、神が顧みられたのは弟アベルの捧げものでした。なぜならアベルは群の初子と最も良いものを神に捧げたからです。神は捧げものそのものよりも、捧げる心を喜ばれます。しかしカインは神の御心を悟ることができず、憤慨して神から目を背けました。いわゆる逆ギレです。神から目を離すこと、背くことは罪の始まりです。神はそのことをも警告されましたが、聞く耳を持たず、憤りに心が支配されてしまったカインは、更なる重大な罪を犯すこととなります。私たちは怒りや悪しき思いに支配されてしまわないよう、心を正しく治める必要があります。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.1-7.ja1955
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創世記 4:8-12
カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。 主はカインに言われた、「弟アベルは、どこにいますか」。カインは答えた、「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」。 主は言われた、「あなたは何をしたのです。あなたの弟の血の声が土の中からわたしに叫んでいます。 今あなたはのろわれてこの土地を離れなければなりません。この土地が口をあけて、あなたの手から弟の血を受けたからです。 あなたが土地を耕しても、土地は、もはやあなたのために実を結びません。あなたは地上の放浪者となるでしょう」。
捧げものが神に顧みられなかったことに逆上したカインは、捧げものが顧みられた弟アベルを逆恨みして、野に連れ出して殺害してしまいました。人類最初の殺人事件です。種の保存のためではなく、個人的な感情でいのちを殺めるのは人間だけです。神は弟アベルの血の報いとして、もはや大地はカインのために産物を出さないと厳しい宣告をされしました。アダムの罪によって勤労の実が結ばないものとなり、カインの罪によって大地が血に呪われたものなりました。罪の報酬は実に厳しいものです。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.8-12.ja1955
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創世記 4:13-15
カインは主に言った、「わたしの罰は重くて負いきれません。 あなたは、きょう、わたしを地のおもてから追放されました。わたしはあなたを離れて、地上の放浪者とならねばなりません。わたしを見付ける人はだれでもわたしを殺すでしょう」。 主はカインに言われた、「いや、そうではない。だれでもカインを殺す者は七倍の復讐を受けるでしょう」。そして主はカインを見付ける者が、だれも彼を打ち殺すことのないように、彼に一つのしるしをつけられた。
自らの犯した罪によってその地を追われることとなったカインは、神の厳しい裁きを聞いてはじめて、自らの罪はとても自分一人では負いきれないものであることを悟りました。しかし神はそんなカインのためにも、放浪生活の中でいのちを奪われることのないよう、一つのしるしを付けて、カインのいのちを狙う者は7倍の復讐を受けると、身の安全を保障されました。神は罪を犯した者のいのちをも守ってくださる、実に憐れみ深いお方です。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.13-15.ja1955
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創世記 4:16-24
カインは主の前を去って、エデンの東、ノドの地に住んだ。 カインはその妻を知った。彼女はみごもってエノクを産んだ。カインは町を建て、その町の名をその子の名にしたがって、エノクと名づけた。 エノクにはイラデが生れた。イラデの子はメホヤエル、メホヤエルの子はメトサエル、メトサエルの子はレメクである。 レメクはふたりの妻をめとった。ひとりの名はアダといい、ひとりの名はチラといった。 アダはヤバルを産んだ。彼は天幕に住んで、家畜を飼う者の先祖となった。 その弟の名はユバルといった。彼は琴や笛を執るすべての者の先祖となった。 チラもまたトバルカインを産んだ。彼は青銅や鉄のすべての刃物を鍛える者となった。トバルカインの妹をナアマといった。 レメクはその妻たちに言った、「アダとチラよ、わたしの声を聞け、レメクの妻たちよ、わたしの言葉に耳を傾けよ。わたしは受ける傷のために、人を殺し、受ける打ち傷のために、わたしは若者を殺す。 カインのための復讐が七倍ならば、レメクのための復讐は七十七倍」。
いのちの保証を受けたにもかかわらず、カインは神の前から去って町を立て、自分の力で防衛しようと企みました。神に頼らず、自分に頼ろうとする傲慢な姿勢の現れです。そして、カインから生まれた子の系図が記されていますが、それぞれ自分の力で生き延びようとする人々の祖先となりました。殊にレメクは、父祖カインの報復を上回る77倍の復讐を自ら行おうとする、血で血を洗うことを是とする残虐な民となりました。今の中東諸国が報復合戦を繰り返しているのも、カインの子孫から始まったものです。平和を愛される神に背く者は、報復と殺戮を繰り返し、ますます罪の深みに陥ってしまいます。ここに人間の罪の恐ろしさがあります。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.16-24.ja1955
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創世記 4:25-26
アダムはまたその妻を知った。彼女は男の子を産み、その名をセツと名づけて言った、「カインがアベルを殺したので、神はアベルの代りに、ひとりの子をわたしに授けられました」。 セツにもまた男の子が生れた。彼はその名をエノスと名づけた。この時、人々は主の名を呼び始めた。
一方、カインとアベルを失ったアダムとエバは、もう一人子をもうけ、名をセツと名付けました。セツという名は「立てる」という意味があります。すなわちアダムとエバは神と人との関係をもう一度立て直そうとしたのです。そしてセツから生まれた子孫が、神を呼び求める人々となりました。私たち人間はたとい失敗を犯してしまっても、再び立て直すことができます。過ちに気付いたならば、神の下に立ち返ってやり直すことのできる希望が私たちにはありますから感謝いたします。
https://www.bible.com/bible/81/gen.4.25-26.ja1955