雑誌「経済5月号」に板木雅彦立命館大学名誉教授による「GAFAMを解き明かす」、副題として「巨大情報プラットフォーム企業と社会科学への問い」を寄稿した。
国際的な超巨大企業であるグーグル(Google 親会社はアルファベット)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook 現在メタ)、アマゾン(Amazon)、マイクロソフト(Microsoft)の5つの企業。
経済的規模からいえば5社の時価総額の合計は、23年12月末で10兆ドルを超え、なんと世界の主要上場企業の時価総額の10%に迫ろうとしている。
パソコンやタブ、スマホなどあらゆる情報機器とともに、その巨大な情報プラットホームをもち、毎日世界中から情報がアクセスされ、AIの「栄養」ともいえる情報を蓄積している。
氏は「巨大情報プラットフォーム企業の本質にどれだけ肉迫できるか、その潜在力と危険性の両面をどれだけ詳らかにできるか」
「人類が獲得したAI(人工知能)という新たな生産力のもとにどのような未来社会を構想できるか」
という問題意識から、社会科学からのアプローチを試みている。
そして1番目として、
「なぜこれら巨大情報プラットフォーム企業が、今日これほどまでに問題視されるのだろうか。その理由は、これら企業の独占的あるいは優越的地位の乱用にある」
ヨーロッパやアメリカでは「独占禁止法」をふくめて、どう規制するかが大きな焦点となっている。
AIでは、自らが「アルゴリズム」を「学習」のよって作り替えていく。
今までは人間が1から10まで、すべてアルゴリズムを作ってきた。しかしAIによるアルゴリズムの変更・作成は、人間の手から離れて、ブラックボックス化する。
「なぜこんな結論がでるなか」・・・人間はその過程を理解できない。
アルゴリズムの暴走と「力(Evil force & power)」への転化、いわゆるAIの「暴走」が起きないか。起きない「保証」は?
まったく未知数だ。
氏は「Evil force 邪悪な力」「Evil activities 邪悪な活動」など、「Evil」という言葉を使っている。
論文を読んで強く感じることは、利潤第一の資本主義のもとでのAIの脅威、巨大情報プラットホームの脅威が差し迫っている。
だからこそ、GAFAMの民主的規制が強く求められている。
この課題はEUが先行している。
日本は相変わらずアメリカ追随であり、利益最優先だ。
国民のくらし・生活の立場からの取り組みこそ必要だ。