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基礎研究

2016-10-06 07:38:54 | 日記

細胞内の「オートファジー」でノーベル賞
を受賞した大隅良典さんは、「役に立つと
いう言葉が社会をだめにしていると思いま
す。本当に役に立つのは10年後か20年後か、
あるいは100年後かもしれいない。」「ゆ
とりをもって基礎研究を見守ってくれるよ
うな社会になってほしいと常々思っていて、
その努力を私もしたい」(赤旗日曜版)

基礎研究の重要性は多くが認識しているが、
「早く成果を」という社会の利益追求と衝
突する。

スタップ細胞騒動のときも「こんなことを
していたら追い抜かれてしまう」というよ
うな発言をしている研究者がいた。

基礎研究が軽視される傾向が強まっている
のではないか。

工学に「公差」という言葉がある。
いわゆる許容範囲のこと。

今朝の地元新聞に全国学力テストの釧路市
の結果が公表された。「小学 全道平均上
回る」、「中学は全教科下回る」

この報道で、一喜一憂している人々がいる。

私は平均点の上下の許容範囲をしっかりもっ
ていただきたいと思っている。そして毎回、
騒がないでほしい。報道の仕方も判で押し
たように、みな同じだ。

テストの平均点競争から、平均という統計上
の概念も大きく歪んできている。
平均はその母集団のごくごく一面を表してい
るだけだ。本来なら「分散」という言葉も、
平均以上に重要な概念なのだが。

「平均」という子どもたちはいない。
Aさん、Bくんという生身の人間である。

キャリア教育を否定するものではないが、
「役に立つ」という教育だけでは、人間の
可能性を矮小化するなにものでもないと思
う。

ノーベル賞を受賞した大隅さんの言葉から
その思いを強くした。


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