国連憲章違反のウクライナ侵略を行ったプーチン大統領。その発言から彼が何を考え「侵略」を開始したのか。
雑誌「前衛5月号」で森原公敏氏が彼の歴史認識と侵略を分析している。
「この8年間、ウクライナ政権によって虐待やジェノサイドにさらされた人々を保護すること。そのためウクライナを非軍事化し、非ナチ化し・・・数々の血なまぐさい罪を犯した者たちを裁く」
プーチンは自らを解放軍となぞらえている。
そしてロシアとウクライナは一体なのだという歴史認識を持っている。NATOの東方拡大という脅威の結果、ウクライナに軍隊を送るしかなかったという選択肢を述べている。
プーチンはロシア人とウクライナ人の歴史的一体性を演説で鮮明に訴えている。
そして1917年のロシア革命を指導したレーニンの「民族自決権」を非難している。要するにウクライナが独立したのはレーニンのせいだと思っているのだ。
当時、レーニンの「民族自決権」の考え方は厳格であり、政権掌握後、帝国主義戦争のさなかでもバルト三国やイスラム国の独立も認めている。ツァーのロシア大帝国からの大転換を行った。
この「民族自決権」の訴え、実践は世界に衝撃を与えた。
戦後の植民地の「独立」に世界史的なインパクトを与えた。
しかし、残念ながらスターリンによって逆コースになってしまった。
プーチンはこうした「民族自決権」が気に入らないようで、まさに「大ロシア帝国」を夢見ている。まさにロシア皇帝の末裔といえよう。
こうしたプーチンのような人間の暴走をどうしたら止めることができるのか。
その点で日本国憲法9条が輝いている。
しかし、日本にもプーチンもどきが多くなり、権力の中枢にいる。
安倍元首相や維新は「力には力を」「中国、北朝鮮が攻撃してくる」「中国による台湾攻撃は日本への攻撃だ」「日本も核兵器を持たなければ攻撃を防げない」「敵基地攻撃」など、
なんとプーチンと同じことを言っている。
憲法9条は日本が攻撃されないためにあるのではない。憲法は日本の国内の最高法規だ。他国に強制はできない。では何のために?
日本にプーチンのような人物を国のトップにすえないためにある。いわゆる立憲主義だ。
そのために最もジャマなのが9条であり、戦争反対をつらぬく日本共産党だと思っている。
反戦平和をつらぬいて100年。
再び日本を戦争にさせないために、日本共産党が前進しなければ。