番外編「ツヌケ
今でもあるのでしょうか?運動会の紅白玉入れ競争。
最後に、玉の数を数えるわけですが、単純ななかに、なにかしら高揚感がある場面として懐かしいです。
これで、耳に残るのが「ひと~つ」「ふた~つ」「みっつ」・・・と語尾の「つ」です。
ところが「ここの~つ」の次は「とお~」で、ここで語尾に「つ」が付かなくなります。
このため、魚釣りで、10匹を超える釣果があったら、今日は「つ逃れだったよ」と、少しは安心できるとともに、
ちょっぴり誇らしげにもなれるわけです。僕らが教わった以外に「つ離れ」とも言うようですし、
今も、ジギングやアンダーベイト、などの横文字が飛び交う乗合船の釣果報告に「つ抜け」など、
古色蒼然?たる言葉が生きているのです。
もちろん、ねらう魚種によってこのニュアンスは微妙に違いますがね・・・。
こうした古い釣りの言葉は、例えば、アタリ、アワセ、バラシなどなど今もなお厳然と生きています。
ノル、とかサグル、キクなどというのもありますね。
こうした釣りの言葉は、文化勲章受章者の故梅棹忠夫さん(国立民族学博物館初代館長)に言わせると、
釣りは常に野外の技であり、釣りの言葉は、かたぐるしい理論にけがされていない。
素朴な美しさがあふれている、とのこと。ツノガレ、ツバナレ、ツヌケも、そういうことになりそうです。