失踪症候群双葉社このアイテムの詳細を見る |
★『失踪症候群』貫井徳郎著 双葉文庫
本屋に著者の「症候群」シリーズ3部作が揃って平積みされており「これを読まなきゃ損!」みたいなキャプションが付いていたので、思わず買ってしまいました。「症候群」3部作の第一作です。
う~ん、amazonの「お勧めリンク」を載せておいて言うのもなんですが、「読まないと損」と言うほどの内容ではなっかたですね。ストーリーの詳細は省略しますが、気になる点がいくつかあります。
第一に、「なぜ若者たちが失踪しなければならなかったのか?」が伝わってこない。第二に、「失踪して別人に成りすますなんて、本当に可能なのか?戸籍を取り替えて安心できるのか?」という疑問。第三に、「仲介者の存在感が曖昧」etc…。
優れた小説を読む醍醐味は、どんどん先を読みたくなるストーリー展開と、最後のセンテンスを読み終わったときの「かぁ~やられたぁ~!!」という感動(この感覚、分かりますかね?)なのですが、ちょっとその辺が希薄でした。
でも佳多山氏(何者?)の解説によれば、著者のデビュー作である「慟哭」は秀作のようなので、もう少し読みたい本を読み終えて余裕ができたら、「症候群」シリーズとともに読んでみてもいいかな・・・?