ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.1.14 旅行最終日 花咲く岬と恋する灯台で強風に吹かれ・・・無事帰京

2019-01-14 22:03:58 | 

 昨夜は冬の大三角が見えた!と思ったら、いきなり雲が広がり、長く天体観測を楽しむことが叶わなかった。温泉で冷えた身体を温めて、プラネタリウムで天井一杯に満天の星が描かれた部屋で眠りに落ちる。
 明け方お手洗いに起き、再び2時間ほど寝直してから1人こっそり朝風呂に向かった。露天風呂からはちょうど日の出が拝め、今日もいい日が始まる!という予感である。

 部屋に戻ると夫も既に起きており、身支度をして朝の連続テレビ小説を視てからレストランへ。昨日は洋食中心にチョイスしたので、今日は和食中心に。100種類からなるブッフェということで、2泊してもとても全部味見するわけにはいかない。窓際の席で伊豆七島を望みながらのんびり贅沢な朝食である。

 部屋に戻ってパッキングを済ませ、ゆるゆるとチェックアウト。シャトルバスの案内スタッフの方とバスを待つ間にロビーでお喋り。「とてもいい休日が過ごせました、また是非来たいです。」とホテルを後にした。
 補助席も使い満席でバスはあっという間に駅に到着。コインロッカーにスーツケースを預け、身軽になって予定通りのバスに乗り込み、今が満開!の水仙まつりへと向かう。

 みさき水仙が咲き誇るこの爪木崎は、日本で最大の水仙の群生地だそう。須崎の御用邸を通り越し、バスに15分ほど揺られて到着。キダチアロエや水仙の花で辺りは良い香りが漂っている。お天気はいまいちで雲が厚い。なんといっても岬だから遮るものがない。風が強くて飛ばされそうである。思わずコートのフードを被る。
 ホテルのフロントで、「恋する灯台プロジェクトというイベントが始まっており、ハートのベンチ等もありますから、お写真撮ってきてくださいね!」と送り出され、結婚記念日だしね~と年甲斐もなく張り切るおばさんこそほかでもない私である。

 会場には一面の水仙の花、花、花。なんと300万本だそう。遊歩道を歩き、椿並木の階段を上り、爪木崎灯台を目指す。とにかく潮風が強く、どんどん体温が持っていかれる感じ。見晴らしの良い場所に噂のハート型ベンチやらアーチが。熟年カップルもそこかしこにいたので、お互いに写真を撮りあいっこである。灯台の向こうには伊豆七島がクッキリと見える。残念なことに、珍しい柱状節理を見逃してしまったことに後になって気づく。寒さに耐えつつ、遊歩道を下って、水仙の群落地へ。向かいは青い海が広がり、フォトスポットが一杯である。すっかり身体が冷えてしまい、ホテルで頂いた甘酒券を持って引換所へ。中はストーブで暖が取れて、アツアツの米麹の甘酒が美味しかったこと!

 鑑賞を終えて帰路は花園や温室にも立ち寄り、多種多様な花々を愛でることが出来て、すっかり満足。帰りのバスの時間までちょうどよい時間。夫が売店でヨモギ団子を買ってきてくれて、待ち時間に頂く。時間通りにバスが到着し、先頭に並んでいたので一番前の席に陣取る。帰りは駅の一つ手前の停留所・道の駅で下車。ここでランチをしてもよいかと思ったけれど、お寿司や海鮮料理がメインのお店ばかり。魚は既にこの3日間でたっぷり頂きすぎたので、ちょっと毛色の違うものがいいね、と再び駅に向かって歩いた。

 冷たい風に吹かれていたので、うどん屋さんに入って鍋焼きうどんで温まる。まだお腹に余裕があったらしい夫はそのまま隣のカフェに移動して、お汁粉と珈琲を頂く。私も小さいチーズケーキを別腹で。

 帰りの特急に間に合う時間に駅に戻り、お土産をちょっぴり買い足して定刻通りの踊り子号に乗りこんだ。寝姿山に別れを告げる。途中、群青色の海に浮かぶ大島、利島、新島がクッキリと見えますとアナウンスがあったが、本当に美しい景色である。夫は気づけば隣で船を漕いでいる。私も2編残してあった短編集を読みつつ、途中あまりに眠くてウトウト。

 定刻に乗換駅に到着し、在来線でも無事席を確保することが出来た。飽食続きで、あまり空腹でもなかったので、外食はやめてベーカリーでサンドイッチやペストリーを買い込んでそのまま帰宅。
 大急ぎで荷物整理と洗濯を終えて、夕食を済ませた。また明日から新しい1週間が始まる。

 今回のホテルはとてものんびり出来て心地よかったし、お湯も良く、街の感じも体得出来た。今度は花の季節にまたおいでください、と沢山の方から言って頂いたこともあり、すっかりその気になって早々にお薦めプランを予約してしまった。今から楽しみなことである。それまで元気でしっかり働かなくては。
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2019.1.13 旅行2日目、街歩きの後は名所巡り遊覧バス満喫

2019-01-13 21:10:02 | 

 昨夜はホットシェルのアロマ(レモングラスとティートリーの精油をチョイス)トリートメントを終え、夢心地で部屋に戻ると、部屋はプラネタリウムの満天の星空だった。流れ星も出るという設定にしてくれたようだけれど、そのままバタンキューで4時間半ほど爆睡。お手洗いに起きた後は夫の鼾で眠れず、3時間半ほど寝返りを打ち続け、観念して起きる。
 
 窓の外は嬉しいことにお天気が回復しつつある。珍しく夫が朝風呂に行こうかという。トリートメントのもみ返しなのか、とにかく身体がだるくてぼーっとしている。
 浴場に行くと、早起きの方たちが入浴中。朝日が眩しい。頭のてっぺんからつま先まで綺麗にしてすっかりいい気分になって部屋に戻る。

 当然私の方が長湯なので、カードキーは夫に預けていたのにドアホンを押してもうんでもすんでもない。しばし部屋の前で佇むが、なかなか戻ってこない。何かあったのか、とだんだん心配になって男湯の入り口前で声をかけると、夫が「トラブルだ」と言ってカードキーが渡してきたのだけれど、意味不明。

 ほどなくして部屋に戻ってきて、訊けば自分のスリッパとカードキーを入れたロッカーの鍵を開けたらなぜか空っぽで、ホテルスタッフに連絡して新しいカードキーとスリッパを持ってきてもらったという。どうも隣のロッカーを使っていた方が間違えて夫のロッカーを開けて(なぜ開けられたのか不明)スリッパを履き、カードキーを持って行ったらしい。当然自分の部屋の鍵は開かず、その方が戻ってきてやっと事情が判明したたとのこと。なんとも・・・である。

 そんなこんなで結構な時間をロスし、着替えて身支度をして朝食に向かったのは朝食時間残り1時間を切ったところ。
 昨夜の夕食から14時間ほど経っていてすっかり空腹。多彩なメニューに目を奪われる。朝からにぎり寿司あり、季節の釜飯あり。生搾りの甘夏ジュースが胃の腑に落ちると、俄然食欲が沸いてくる。野菜にはわさびのドレッシングが美味しい。すっかり満腹になって、重たいお腹を抱えて部屋に戻る。

 昨日の雨模様のお天気が打って変わって今日は快晴、10度超えの予報だ。緑がかった海の青、澄み切った空の青が美しい。ホテルのお庭沿いの階段を下り、プールの周りを廻って海岸へと降りる。水仙や椿、菜の花、1月というのに沢山のお花がとても綺麗だ。桜はまだだったけれど、梅は花開いている。風が強いが日差しも強い。海の水面がキラキラと光って眩しくて目が開けられない。

 階段を降りきったら膝が笑っているが、海の美しさに目を見張る。透明度が高く、底が見渡せる。途中でへばったら、シャトルバスにお迎えに来てもらおうかと言っていたけれど、ひとまずトンネルを通り抜け、街に向かって歩いてみることに。登り坂は息切れで大変だけれど、平坦な道ならノープロブレム。やはり自分の足で歩くと街の感じが分かる。

 午後からは遊覧バスを予約していたが、下見方々、ペリーロードあたりを散策。今も現役で使われているというガス灯や、白と黒のコントラストが青い空に映えるなまこ壁のレトロな建物が雰囲気一杯だ。なまこ壁と伊豆石というこの地の特徴的な建築様式を用いた旧澤村邸の母屋や蔵のギャラリーを見学した後は、洋間でお茶を頂いてまったり。街中に1軒だけという、昭和湯という名の銭湯もあり、懐かしさ一杯だ。
 ペリー艦隊来訪記念碑で記念写真。海風が強いが、景色は開放的で素晴らしい。沢山の船が並ぶみなと通りは潮の香りが鼻をくすぐる。マンホールの蓋は黒船のレリーフ。

 どこかでランチを、と思ったけれど朝食が遅かったし、時間もそれほど余裕がないし、とこの地で初代米国総領事ハリスさんが大好きな牛乳を飲んだことが我が国の牛乳販売の初めとなったというエピソードにちなんで名付けられた美味しいと評判のあんパンを買い、スーパーでフルーツや飲み物等も買い足して駅の待合室でランチタイム。
 明日のバスチケットを買ったり、午後からの遊覧バスのチケットを受け取ったりしてカフェでお茶をしながらバスの出発まで時間調整。

 大きなバスにお客様は私たち2人を含め6名様。3カップルだけで申し訳ないくらい。定刻にバスは出発し、まずは港内巡り遊覧船へ。乗ったと思ったらもうバスを降りる感じで結構忙しい。私たちの到着を待って、実際の黒船の4分の1の大きさだという黒地に赤のラインがお洒落なサスケハナ号が出航。前回の芦ノ湖海賊船に味を占めて、2階の特別展望室券をゲット。船長さんの帽子も被って気分が盛り上がる。夫がカモメの餌を買ってきて船尾から投げると、カモメどころか鳶もやってくる。旋回しながら投げた餌をうまくキャッチして、テンションが上がって楽しいことこの上ない。大昔、結婚してまもなくの頃、松島で乗った船で海猫に餌をやったのを思い出す。ああ私は30年近く前と全然変わっていないな、と苦笑。息子が一緒だとこうしたイベントは息子に譲ることになるが、夫と2人だとついつい童心に帰る。

 20分のクルーズすっかり満足してバスに戻り、次なる目的地は海中水族館。ちょうど大水槽で餌付けショーが始まった時間で、ガイドさんについてどんどん中へ。女性ダイバーがサメやウツボを抱っこして口に直接餌をあげている。とても獰猛な生き物を抱えているとは思えない。イワシの群れも銀の宝石のごとく美しかった。やはり水族館、好きである。
 次なるイベントはイルカショー、ということで場所を移動。自然の入り江で水しぶきがかかるほどのバンドウイルカ3頭の大ジャンプは迫力満点で皆拍手喝采。トレーナーがイルカに乗った少年(青年?)よろしく海を走る図には大興奮。イルカ、賢いなあ。水槽でなく広い入り江なので、こんなにダイナミックなショーが提供出来るのだろう。家族連れやちびっこたちも大喜びだ。

 旅は早くも折り返し、午前中に2人で下見をしたペリーロード散策の前に、ジャスミン寺の異名を持つ了仙寺へ。5月が花のシーズンというが今年は暖かいのか、既に何輪かの花が咲いており、香りが良い。濃い紫が淡い紫となり、白くなって散るという。お参りを済ませてペリーロード散策。午前中は成人式の晴れ着を着た女性たちが写真撮影中だったが、早くも日が陰り、少し冷えてきている。

 ラストは宝福寺。山内容堂に勝海舟が面会し、坂本龍馬の脱藩の罪の許しを乞うた場所であり、日米和親交渉にあたり、日本全権の本陣となる奉行所が置かれていた由緒正しき寺である。唐人お吉の菩提寺であり、記念館が併設されている。
 まずはお吉さんのお墓参り。その生涯は本当に波瀾万丈、最期は入水自殺というのだから、なんと辛い一生だったことか。当時170センチを超え、写真で見るその美貌には目を見張るものがある。お墓のある内庭にはぼけ防止のお地蔵さんもいらして、長生きが出来る亀の石も。しっかりぼけずに長生きを祈念してお参り。

 こうして2時間半のスピード名所巡りが無事終了。出発地点の駅まで無事バスは戻り、ホテルのシャトルバスで部屋に戻ってきた。
 部屋でお茶をしてほっと一息。夕食まで小一時間一休みするも、あっという間に夫はまた高鼾である。

 夕食はホテルレストランでたっぷり2時間かけてブイヤベースやジビエ(干支にちなんで猪!)のディナー。お腹一杯といいつつデザートは別腹!はいつものことである。
 食休みの後、庭のイルミネーションが消えたところで星空観測に繰り出す予定だ。

 明日は水仙祭りを訪れた後、午後の特急で帰京する。
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2019.1.12 祝・結婚29周年、今年の旅は・・・

2019-01-12 20:55:00 | 

 明後日は29回目の結婚記念日。銀婚式の25周年から記念旅行を続けている。寒い時期だから少しでも暖かい土地へ、と沖縄離島からスタートした。趣向を変えて、昨年は上海2泊3日の旅に出かけたところ、帰国日とんでもない大雪に見舞われ、帰路大変な思いをした。
 さて、今年はどこへ行こう、と僅か10日前に年末年始旅行から帰ってきたばかりなのに性懲りもなく、またお出かけである。

 夫のリクエストで、今回目指すは黒船来航の街。私は子どもの頃に家族で海水浴に訪れたのが最後で、夫は初めての訪問である。先日訪れた箱根に比べ伊豆半島、しかもここまで突端、我が家からのアクセスを考えるとちょっとハードルが高い。実際、新幹線で京都に繰り出すのと同じ時間がかかる。

 昨夜、夫は新年会だったため、一人で簡単な夕食を済ませ、洗濯物も片付けておいた。今日はノープランでゆっくりめに出発。
 土曜日の贅沢、朝の連続テレビ小説を視てからゆるゆる起き出す。昨日はぽかぽか陽気で楽だったけれど、今日はかなり冷え込んでいる。
 JRの乗換駅では雪がチラついていてびっくり。都心では平年より9日遅い初雪とのこと。病院最寄り駅を通過し、特急乗換駅で時間調整のためカフェで夫がご馳走してくれる。2年前のSさんのリトリート以来の特急列車に乗り込む。さすがに3連休、家族連れやカップルで車内は満席である。

 窓が大きなこのスーパービュー踊り子は、白い車体にスカイブルーとグリーンの爽やかな色。伊豆の海と空をイメージしているのだろう。車内には子ども室などの施設もあり、息子が小さい時に大喜びで乗ったものだ。

 終点まで揺られること2時間ほど。車中のお伴は篠田節子さんの「蒼猫のいる家」(新潮文庫)。表題作を含み、5編からなる短編集だ。どれもこれも読み始めるや否やあっという間にその世界に引き込まれる。篠田さんの短編は文句なく面白くハズレがない。50頁ほどであの内容の濃さにいつも唸らされる。大事に3編だけ読んで、終点に到着。

 ホームにはプランター一杯の水仙が馥郁とした香りを放っている。ここからバスで15分ほどの岬で水仙祭りが開催されており、今、満開だそうだ。駅の改札は黒船を模しており、なかなか風情がある。バス旅行で駅周辺を通り過ぎたことはあるのだが、子どもの頃訪れた時も父の車だったので、おそらくこの駅に降り立ったのは初めて。

 観光案内所で地図を頂き、さて、遅めのランチである。駅のロータリーにも黒船のレプリカが。子どもが「ハワイ!」と叫んでいたが、シュロの木やヤシの木々が迎えてくれる。南国調だ。たまたま見つけた駅前のラーメン屋さんに入って、エビ塩ラーメンとキンメラーメンを頂く。これが大当たり。スープが美味で普段はスープを飲み干そうなどとは思わない私が後を引かれてびっくりした。
 すっかり満足してお腹も満ちたところで、コンビニで飲み物など調達して、ホテルのシャトルバスに乗り込む。
 途中、運転手さんが観光名所等を案内してくださる。車窓から見る唐人お吉のお墓のある宝福寺、ペリーロード等は雰囲気があってとても素敵。目指すホテルは高台にあり、先日強羅でレストランを探した時の、魔の坂道を彷彿とさせる。バスは、途中歩いていた宿泊客を親切に拾っていく。有り難い助っ人だ。
 
 チェックインを済ませ、明日の夕食時間を予約して、お部屋へ案内される。最上階のバルコニー付きのお部屋からはナティエ・ブルーの海が見渡せる。今日はあいにく曇り空だけれど、和歌の浦遊歩道がすぐ下にあり、水族館まで続いているという。海風に吹かれてお散歩したらとても気持ちよさそう。

 星座観測のグッズをお借りしたので、明日の夜晴れたら海岸まで繰り出す予定だ。今日はあいにくの雨模様のお天気なので、お部屋で見られるという小さなプラネタリウムをお借りした。いい夢が見られそうだ。

 珈琲と紅茶で一服しているとドアがノックされ、ホテルからの結婚記念日のお祝いとして色とりどりの綺麗なマカロンが届く。嬉しくてニンマリ。
 来年は30周年、真珠婚式である。銀婚式の時、果たして真珠婚式は迎えられるだろうかと思っていたけれど、あと1年、よし、また頑張るぞ、といった感じ。
 お風呂嫌いな夫(なのに、なぜ温泉に宿泊するのやら・・・)はベッドでだらだらしているので、私は一足先にお風呂を頂いてきた。露天風呂からも海が見渡せて気持ちよいこと。お肌ツルツルスベスベである。

 シャトルバスで駅前まで送って頂き、今日は街中で夕食。お目当ての金目鯛の煮付けやお刺身がふんだんに盛られたお料理を頂いてお腹一杯。再びタクシーでホテルに戻ってきた。
 ホテルのショップで記念旅行の品等も買って一休み。これから温泉とアロマボディトリートメント。旅の初日、なんとも贅沢で幸せな夜である。


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2019.1.9 レントゲン後腫瘍内科診察、ハーセプチン206回目(3倍量再開17回目)、治療始め

2019-01-09 22:19:58 | 治療日記

 昨日は仕事を終えてスーパーで買い物を済ませ、いったん帰宅。夕食の支度をして夫の帰りを待ち、夕食を摂ってから病院最寄り駅に近いホテルに向かった。

 行きの車内で木村誠さんの「大学大崩壊 リストラされる国立大、見捨てられる私立大」(朝日新書)を読み始めた。帯には“5年後、こんな大学が危ない!詳細データで解明!”とメジャーな大学名が踊っている。とりあえず勤務する大学名は見当たらないが・・・。
 趣味の読書というよりも仕事の延長みたいな感じのチョイスになってしまったが、実際に大学に勤務しているからこそリアルに感じられる話題も満載で、なかなか面白い。科研費の有効利用に見る国立大学の優劣やら、教育力を示す専任教員率の高低、実志願者の比率の高低などなど。奨学金の貸与と滞納の実態にも話が及び、ホテルに着いてからも読み続けてしまった。
 大浴場付きの宿だったので、ゆっくり入浴。いつもより少し早めに眠りにつくことが出来た。

 明け方1回お手洗いに起きるまでに6時間たっぷり眠り、1時間ほどトロリとしてモーニングコールが鳴った。夫にモーニングLINEを入れたら、すぐ返事が戻ってきたので、安心して朝風呂へ向かう。ほぼ貸し切り状態でさっぱり。身支度を整えてレストランへ。昨夜は、夫と一緒に食後の甘いものの時間(これを続けているからメタボになるのだ!)がなかったので、お腹がしっかりすいている。お野菜タップリのビュッフェでお腹を満たし、朝の連続テレビ小説を視、チェックアウトして病院へ向かった。

 いいお天気。澄み切った青空だが、北風が冷たい。予想最高気温は10度に満たないという。今年初めての病院、先月から4週間ぶりですっかりご無沙汰である。
到着し、IDカードを通すのに並ぶ。年明けの病院、さすがに混んでいる様子だ。今日は採血がないので、そのままエスカレーターで2階レントゲン受付へ。時間が早かったせいか受付が始まったばかり。20番の番号札を取って呼ばれるのを待つ。15分ほど待って受付を済ませ、中廊下へ移動。こちらでは5分ほどの待ち時間で呼んで頂いたが、更衣室で足止め。ブラトップ着用で着替えもないのだが、前の方が撮影に時間がかかったようで、狭い個室で息苦しさを感じながらかなり待つことに。

 今日も正面と左側面からの2枚。スムーズに撮影が終了して、エスカレーターで1階の腫瘍内科へ移動する。既に待合椅子にはたくさんの患者さんが待っている。席を確保するのが大変だ。受付で月初めの保険証のチェックもお願いして、席について読書を始める前に呼吸を整えて血圧測定。101-69、脈拍は83。

 本日のお伴は松田純さんの「安楽死・尊厳死の現在 最終段階の医療と自己決定」(中公新書)。帯には「いま死とどう向き合うべきか オランダで年間6000人を超え、各国も続く合法的な安楽死。自己決定はどこまで許されるのかー」「認知症の人々をめぐり問題化も」とある。「はじめに」にあるとおり、超高齢社会、多死社会の今、死について語ることがタブーではなくなり、終活ブーム、最期、看取り、相続、葬儀、墓などの話題が尽きない。既にアラ還の私だから、病とともになくともそろそろ考えてもいい話なのだろうけれど、健康な人たちよりは考え始めた時期は早いかもしれない。

 安楽死事件と裁判の判決から始まり、オランダの実態、ベネルクスの残り2国、カナダの状況、オレゴン州の実情、人生の最終段階の医療、古代から現代までの自己決定、安楽死論に至る思想の歴史の流れが論じられた。頭を整理するのに読みやすかった。最後は治らない病気の対極に位置する、WHOが定義する「完全な良い状態」としての健康―この健康観の再検討を通じて、安楽死と医療の使命についてとらえ直されている。
 健康を「完全に良好な状態」という静止状態としてとらえるのでなく、疾患によって様々な問題を抱えていても、それに対処し乗り越えていく「立ち直り、復元力(レジリアンス)」としてとらえること、様々な薬や補填具、機器、医療や介護の力などを支えにして、症状を和らげ(緩和)、気落ちすることなく人生を前向きに歩いて行けること、その力こそを「健康」としてとらえるーこの概念のくだりに膝を打った。ならば、私は満更病人ではないな、ちょっとニヤニヤしながら。

 採血がないので、今日は早く呼ばれるだろうと思っていた通り、2番目に中待合へどうぞの番号が出た。中廊下で15分ほど待ち、先生がお顔を出された。まだ病院到着から1時間ちょっとである。早い。

 大荷物を置いて、「おはようございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします」とご挨拶。席に着くと、体温計を渡され、検温。36度8分である。
 「さて、年末年始、いかがでしたか」と問われ、「4週間は長かったです。前回の治療後、翌日あたりから胸痛が酷く、コデインを飲み、ロキソニンも三度三度、数日続けました。その後少し落ち着きました。クリスマスの夜いきなり8度5分の発熱があり、翌日7度台には戻りましたが、年末年始まで頭が痛く、葛根湯とロキソニンが手放せませんでした。とはいうもののあれこれ出かけましたし、やりたいことは出来ました。」とお話しする。

 「おかげさまで今は風邪も抜けて元気です。ただ○○市は寒いので今も鈍痛はありますが・・・」と前回の話題を先手必勝で先生がおっしゃる前に言ってしまう。なんとなく保護のために手袋をまだ外せていないのだけれど、先生がご覧になって「まだしていないとだめですか」と仰るので、「念のためです、大分綺麗になりました。」とお見せする。今の季節、乾燥しているし、仕事の際に紙で切ったりすると痛いので、手袋は結構優れモノなのである。

 さて、既にレントゲンの画像が2枚並んでPCの画面に映っている。今回と11月のもの。ぱっと見あまり変わっていないように見える。先生も「詳細はよくわからないけれど、あまり変わっていないようですね、2月か3月にCTを撮りましょう。前回9月だからそろそろ、のタイミングではありますが、治療変更したのが11月からなので、そんなに急いで撮らなくてもよいかな」というお見立て。

 それでは今日も予定通り治療しましょう、ということになった。「アリミデックス(ホルモン剤)で身体はとても楽ですし、副作用である関節痛も今のところ気になりません。来月、再来月と息子の新居探しと引っ越しの手配等で関西に行くことになりますし、年度末で仕事も繁忙期なので、できれば今年度一杯は今の治療で粘りたいです」と希望をお話しする。「2月か3月にCTを撮って、治療変更となれば4月以降で大丈夫でしょうか」と調子に乗って言い足したら、「まあ、それは状況によりますね~」とかわされてしまった。ごもっとも、である。
 これにて今年初めての診察は終了。今月は3週間後、2回目の通院が月末にある。次回は採血で腫瘍マーカーの変動もチェックすることになっている。

 アリミデックスを21日分と、ロキソニンが大分活躍して予備がなくなってしまったので、久しぶりに追加で21日分処方して頂いた。ご挨拶して診察室を後にし、化学療法室に入ると、まだそれほど混んでいない様子。
 呼ばれるのを待ちながら夫やお友達に報告LINE。ほどなくして看護助手さんから窓側の端から2番目のリクライニング椅子に案内される。
 お手洗いを済ませ態勢を整えて、読書を続ける。15分ほどしてヘルプに入られていたSさんが見える。私としてはとてもラッキーだ。良かった!とご挨拶して針刺しをお願いする。お正月明けで混んでいるので大分お疲れのご様子。しかも化学療法室OGで、遊軍でヘルプに入っておられるのだから、大変だ。逆血を確認して薬が届くのを待つ。今日は採血もなかったし、針刺しはこの1回のみである。

 空いているように見えたので始まりも早いかしらと思ったけれど、さにあらず。その後30分以上待って、ようやくMさんが薬をセットにみえる。カルテを見ながら「あの後痛んだのですね、熱も出たようで・・・」と訊かれる。箱根に行くこともお話ししていたので、そんな話題も交えながら、薬がセットされていく。
 先月受け取っていた職場の婦人科検診の結果表を持ってきていたのだが、診察中に先生にお見せするのを忘れてしまい、伝言をお願いする。まあ異常なしなので、大事ではないけれど。

 ハーセプチンと生理食塩水で1時間半弱。本を読みながら途中とても眠くなってしまいウトウト。終了間近に血圧を測って頂くと、107-55、脈拍は69。
 抜針もMさん。針を固定するテープがかなりビッチリ貼られていて、なかなか剥がれずに痛んだ。皮膚が弱くなっており、粘着テープですぐに赤くかぶれてしまう。それなりに衝撃もあり、ちょっと深呼吸。部屋を出るまでにOkさん、Krさんにも「今年もよろしくお願いいたします。」とご挨拶して部屋を出た。

 総合受付で会計。混雑している。30分ほど待ってようやく番号が出て支払機にIDカードを入れると、窓口でどうぞ、と出てしまい、窓口へ確認に。すると窓口では「もう大丈夫なので機械でお支払いを」とのこと。「もうこちらに並んでいるし、また支払機に戻るのは・・・」と言うとその場で手続きして頂けた。
 病院滞在時間は4時間半弱。レントゲンと点滴の3割負担の3万3千円ほどカードで支払う。

 外は明るい陽射しで暖かそうだけれど、相変わらず風が強い。コートの前を開けていると寒さが沁みる。
 薬局も混んでいる。これは待つな、と覚悟したが、40分ほどで済んだ。アリミデックスとロキソニン21日分で3,500円弱をカード払い。薬剤師さんにも「今年もよろしくお願いいたします」とご挨拶して薬局を後にした。

 病院と薬局の合計滞在時間は5時間強。朝しっかり頂いていたのでそれほど空腹を感じない。そのままJRに乗って途中駅で下車して、ランチ。ゆっくり頂き、本も読み終わった。

 乗換駅のスーパーでお弁当とサンドイッチやサラダなどを買い求める。大荷物になって最寄駅に到着。ラッキーなことにタクシー乗り場にご贔屓のタクシー会社が待っていてくれたので、そのまま乗って帰宅した。
 生協から配達された食品を運び入れ、収納を済ませる。洗濯物などあれこれ片付けてようやくリビングに座ってビデオをかけたところでウトウトしてしまう。いつのまにか夫が帰宅していて、起きてからお弁当とインスタントのスープで夕飯を終えた。

 明日はまた都内横断の出張である。加齢の所為か以前に比べて通院日はかなり疲れるようになった。ハーセプチンだけだからそれほど副作用があるわけでもないのだけれど。
 今日も早めに休むことにしよう。
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2019.1.8 乳がん患者さんのための瞑想ヨーガクラス1月開講分が残席僅かになりました

2019-01-08 20:42:11 | お知らせ

 先日お知らせした「乳がん患者さんのための瞑想ヨーガクラス」の1月開講分が残席僅かだそうです。
 沢山の皆様からお申込みを頂き、どうもありがとうございました。
 嬉しくそして身の引き締まる思いで、今からとてもワクワクしております。新しい年に相応しく、少しでも進化したクラスを提供させて頂けるように体調を整えつつ、これからも精進してまいります。
 参加してくださる皆様との御縁に改めて感謝するとともに、お目にかかれるのを今から楽しみにしております。

 2月、3月の2ヶ月はお休みさせて頂きますが、4月以降の開講分についてはお話がまとまり次第お知らせさせて頂きます。
 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
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