昨夜はブログアップ後、消灯したらそのまますんなり眠れた。しかも、夜中お手洗いに起きることなく6時まで。たっぷり連続7時間睡眠を取れて、スッキリ目覚めた。
スマホアラームが鳴り、夫におはようLINEを打つ。ニュースを見ながら身支度を済ませ、階下のレストランへ。今日もちょっとずつ色々和洋折衷のおかずを頂き、ポタージュスープ、スムージーと黒酢ドリンク、と水分もちょっとずつ色々。珈琲と新聞を頂いて部屋に戻った。
昨日採血が終わっているし、ホテルまでドアツードアで数分だから、朝一の予約でもゆっくり出来る。朝ドラを視て、荷物整理を済ませ、ゆるゆると出発だ。チェックアウトして手荷物を預け、病院へ向かう。
何やら外はかなりひんやり。ようやく季節が追い付いてきたといったところか。冷たい風に身体が慣れていないのでちょっとびっくりする。ニットアンサンブルに薄いジャケットを羽織ってきて良かった。日傘はもう要らないかもしれない。雨が降るかもと持ってきたが殆ど荷物になっただけだった。
予約時間の10分ほど前に病院に到着した。受付のIDカード機には若干列が出来ていたが、それほど待たずに腫瘍内科受付へ移動。
待合椅子はそこそこの込み具合だ。珍しくソファ席が先に埋まっていたので、定位置より少し後ろの椅子を確保した。
態勢を整えてから血圧測定。116-73、脈拍が90。血圧測定を終えたら、読書再開だ。今日のお供は昨日の続き「相続始末記」。前回同様、今日も予約時間丁度に電子掲示板の中廊下へどうぞ、に自分の番号が出るのかな、と待っていたが、何やら全然番号が出ない。
40分ほど待って漸く番号が出て、中廊下へ移動する。咳が出始める。今日もY先生の一番乗りだ。先生が扉を開けて出ていらして「〇〇様、お待たせしました。」と呼ばれる。
「おはようございます。」と荷物をまとめ、「よろしくお願いします。」とご挨拶をして入室する。
「体調はいかがでしたか。」と訊かれ、「おかげさまで一大イベント(息子の結婚式)が無事に終わり、下痢も酷くなく済みました。」と言うと、「おめでとうございます。良かったですね。」と。
「それ以外は咳がまたちょっと酷くなってきたのと、疲れているせいなのか、左眼の前がチカチカとすることがあります。」と。「泌尿器科の方は?」と訊かれ「おかげさまで4回の通院で終了しました。今は症状はなく、ただ、念のため毎朝クランベリージュースを飲んでいます。」と応える。
そして、先週撮影したCTの結果である。今回を含め、時系列で4枚の画像が並んでいる。読影結果にあるコメントの輪切り画像をそれぞれ丁寧に説明してくださる。読影結果は「多発肺転移は増大・維持とも見られるが、全体的に増大。縦郭リンパ節は一部再度増大。胸骨・右鎖骨転移は変わりなし。」である。その他、新しい臓器やリンパ節への異常はなかったようだ。
だが、画像上、明らかに倍近く大きくなっている部分がある。アチャー。これが咳の原因ではないか、とのこと。
前回6月に落ち着いていたものが、7月を最後にドセタキセルを止め、フェスゴだけにしたことで3か月保たずにこの結果である。ドセタキセルはダメ押しで7クール目まで頑張ったので、せめてもう少し粘れると思っていた。甘かった。
気胸の疑いもあるようだが、これは穴が周りとくっついているので、とりあえず経過観察で良いそうだ。いずれにせよ、早くも治療効果が十分ではなくなっていることに違いない。次の手を考えるべきタイミングであると仰る。「もうちょっと粘るのは・・・」と言い出す雰囲気ではなかった。
今日は予定通りフェスゴを行うが、次回から治療変更を、とのこと。では何を?だ。
ドセの再開も一つの選択肢と言われるが、再び廃人状態になるのはちょっと勘弁である。あれだけやっても3か月と保たなかったので、もう遠慮したい、と。
残っている薬はパクリタキセルのみだが、毎週になるので通院が負担だからこれまでずっと先延ばしにしてきた。と同時に痺れの副作用を考えると、これ以上QOLは下げたくないし、直前のドセと同じタキサン系なので、あまり変化のある治療ではない。効果がどうか疑問なので、これもパス。
もう残りの札はないと思っていたところで、飲み薬のエスワン(TS1)を提案される。(副作用がきつくて長く飲めなかった)ゼローダと似た薬であり、それなりに副作用はありそうだ。次回からこちらをトライしてみて、副作用が酷く効果があまり認められないようなら、そろそろ腫瘍縮小のための治療をやめて、その他の方法で症状緩和治療を継続していくことが大切な選択肢になってきている状況だと仰る。
出来るだけ元気に安心して過ごせる環境づくりについて相談していきましょう、という面談票を頂いた。
遅かれ早かれ、積極的治療をやめるタイミングは必ず来ることは頭では分かっていた。ギリギリまで抗がん剤治療にしがみつくことで命を縮める例は沢山見聞きしてきたし、1か月延命するために半月以上体調不良で寝たきりだったら、果たして残された時間として幸せなのか、ということは常々考えてきた。
とはいえ、今回はちょっと見込みが甘く不意打ちの増悪だったので(もちろん息子の結婚式出席が大きな目標だったから、それをクリアするために早めにドセを打ち切り、その後2か月間で体調を整えたことについては後悔はない。あのまま無理して続けていたら、復調も遅れ、あれほど元気に立ち回れなかったと思う。)、さて、どの位のタイミングで身辺整理を進めるべきか分からないので、それも含めて訊いてみた。
「生活を一番大切に考え、その支えになるなら使いたいが、生活を損なうなら、まだ使っていないからというだけで抗がん剤を使うことはない。」とのお考えだ。抗がん剤治療を止めて僅か2週間で亡くなる等というケースがある。それは避けたい。これはセオリー通りで私も全く同感だ。
「ハーセプチンだけ続ける等はいかがでしょうか?」と訊くと、「ハーセプチンとエスワンの併用についてはあまり例がないように思うが、次回までに調べておきます。無意味ではないと思うが、体調が悪化してくると負担も増し、今迄問題なかった心臓が心不全になったり(そもそもハーセプチンは心毒性)ということもありうる。あえて使わずに今のQOLを保つやり方もある。咳や息苦しさが週単位で変わることもあり、短い月日の中で命に関わってくることもある。」と仰る。
いわく“最後の経過は早い”ということだ。見送った沢山の患者仲間達のことを思い出す。だからこそ元気なうちに抗がん剤治療よりも環境づくり、と仰る。
この病院には緩和ケア病棟がない。通院するのが難しくなって訪問医療に切り替えると、抗がん剤治療は出来なくなる等々・・・考えておかなければならないことは山積だ。17年近くのカルテが積みあがった今の病院と全く縁が切れるのは困る。
近隣の緩和ケア病棟がある病院を紹介して頂くことは可能なようだが、そもそもこちらの病院が遠いので、あまり現実的ではない。となると、今の居住地に近い病院に転院出来るのかどうか。それを含めて、患者サポートセンターに相談しておくのもいいですね、急速に悪化させないように付き合っていきましょう、次回以降はレントゲンで評価していきます、という話になった。
それにしてもお目にかかってまだ2回目で、こんなバッドニュースを伝えなければならないY先生(一生懸命目を見て話してくださる。)にはなんだか申し訳なさで一杯になる。 診察室での体温は6度6分、SpO2は95%、脈は84。時計を見ると、一時間近く診察室にいたことになる。時間を取らせたことを詫びると、「一度きちんと話しておかなければ、と思っていましたので」とのこと。私の考えも伝えられたので良かったと思う。
次回以降年明けまでの検査予定等を確認し、薬を処方して頂く。タモキシフェン、ミヤBM、タリージェ15㎎を3週間分とコデイン。今は就寝前に一度服用しているが、早晩もっと増やすことになりそうだ。それに、ほぼなくなった手足用のステロイド入り軟膏を追加して頂いた。
採血の結果等もプリントアウトして頂き、お礼を言って化学療法室へ移動する。お待ちの方は3人ほど。受付票ファイルを出して門前薬局に処方箋の写真をLINEで送付して待っていると、20分ほどして看護助手さんからグレーの椅子に案内される。
夫とお友達に報告LINEを打ち、態勢を整える。LINE送付から30分ほどして門前薬局からは薬の用意が出来ましたという連絡が入った。
フェスゴが届く迄本を読みながら待つ。20分ほどで届き、お名前を失念してしまった看護師さんが担当(不織布の看護衣を着ておられるので、名札が見えないのが痛手だ。)。今日は偶数回目なので左腿だ。
「今日でフェスゴ打ち止めになりました」と言うと、「えっ?」とカルテに目通しされる。次回以降点滴がなくなれば、6週に1度のポートフラッシュだけ。これは化学療法室ではなく外来の部屋で行うそうなので、長くお世話になった化学療法室も今日で最後かもしれない。
「こんな時に限って(化学療法認定看護師の)Krさんがお休みなんです・・・」と仰る。そんなお話や鉄の息子(この看護師さんも、男の子2人のママで2人とも鉄なのだそう)の結婚式が無事終わった話等をして気を紛らわしながら5分間かけてラストフェスゴ。
患者サポートセンターで相談したい、という話をすると、すぐに連絡を取ってくださり、「少し待つかもしれないけれど、今日そのまま行ってみてください。」とのこと。有難いこと。
化学療法室滞在は1時間弱。腫瘍内科受付で受付票を戻し、そのまま隣接した患者サポートセンターで受付番号を取る。8人待ちということなので、待ち時間を覚悟して本を読み始める。
すると5分ほどして、クラークの女性がいらして今日の相談内容を確認される。そこから10分も待たずに番号を呼ばれ、ソーシャルワーカーさんに面談室へ案内された。
ソーシャルワーカーのMさんとは初めまして、のつもりだったが、なんとオンラインで何度も参加していたがんサロンでお会いしていたとのことで、私のことをご存知だった。今はオンラインからリアルに切り替え、ハイブリッドでは開催していない。
通院日と曜日が違うので(失礼ながら30分の講演と、参加者がいなくて流れる可能性の高い語り合いのために往復3時間を使う元気がない。)却って参加出来なくなってしまった。
緩和ケア病棟と在宅とどちらを希望するのか等基本的な意思を訊かれる。病棟にはタイムリーに入ることが出来ないので、今は介護保険を使ってターミナル専門の有料老人ホームに入る人が増えているのだそうだ。24時間ナースが常駐し、ドクターは訪問対応だという。
緩和ケア病棟に入るにはADL(日常生活動作)が下がっただけではダメで、病態がシビアでないと入れない等、なかなか厳しい話を伺う。だからこそ順番待ちで間に合わないケースが多々あるのだろう。
元気なうちにターミナル専門のホーム等施設を見ておくのも一つの手であると仰る。なるほどHPで見ているのと雰囲気は違うだろうし、百聞は一見にしかずだ。見学に行くにも体力が要るから、ヨレヨレになってからでは身動きが取れない。少しでも出来る準備はしておいた方がよいだろう。不要になればそれに越したことはないが・・・。
訪問診療等の話はもっと後になってからでよいと思うが、どこかのタイミングで夫にも同席してもらった方がいいかも、とのこと。
転院すれば次の病院にカルテなどの情報は引き継がれるが、私の居住地近くの病院、訪問診療の先生とのやり取り等の調整も可能とのこと。
次回3週間後の検査の日に、検査終了次第また面会を予約した。その時には色々調べておいてくださるとのこと、必要に応じて顔馴染みの化学療法認定看護師のOkさんやKrさんにも同席して頂けるようだ。有難いことである。
ということで、ここでも40分ほどのお時間を頂いてしまった。お礼を言って会計へ。8万弱をカード払い。
外に出ると、相変わらず曇天でうすら寒い。門前薬局に寄ると、結構混んでいたが、ほどなくして担当のIさんから呼んで頂く。「今日はいらっしゃるのが遅かったですね」と言われ(このところ早い日が続いていたが、今日は既にお昼を大きく廻っていた。)「実はCT結果がかくかくしかじかで今日で今の治療終了、次回からエスワンに変更になります」と報告すると、びっくりされる。
心配して頂いていた結婚式の報告もさらりとして1,2枚スマホの写真を見て頂く。4,000円弱のコード決済を済ませた。今日の病院と薬局滞在時間は珍しく長くなった。4時間半ほど。
ホテルに戻って預けた荷物を受け取り、ロビーで荷物をまとめる。
さすがに今日は乗換駅まで行くまでお昼を我慢する元気がないので、駅ビルでランチを摂ることに。最近すっかりご無沙汰だったので、ぶらぶら見ながら。どこのお店も値上げしていてびっくりする。初めてのドリアのお店に入った。もうランチタイムとしてはかなり遅めの時間だったのでお店は空いていた。
アツアツのものが出てきたけれど、なんだか思っていたものと違ってちょっと残念な感じだったので、お茶は飲まずにお店を出た。各駅停車に座って、文庫の続きを読んだ。
乗換駅に降りて、とても久しぶりに紅茶専門店に入って、ケーキとポットのハーブティをゆっくり頂いて、本を読み終えた。
最寄り駅まで戻ると、外は暗くなっていた。タクシーに乗らず頑張って歩いて帰宅した。フェスゴの注射跡で左腿は痛むが、これが最後だと思うと、ちょっと複雑な気分。わずか12回で終わってしまうとは・・・。
今日は生協のお届けの日だった。かなり疲れていたが、座ると嫌になってしまうので、そのまま玄関に荷物を降ろして、取り込んで収納を終えた。
荷物を片付け、着替えを済ませ、もろもろの片付けを一気に。薬の仕分けやら家計簿付けやらメールチェックやらすると、あっという間に時間が過ぎる。もう夫が帰ってくる時間だ。
夫には今日頂いた面談票を見せ、今後のことを話してから、生協から届いたお蕎麦やおうどんをレンチンしてもらって一緒に夕食を済ませた。
母にMeet通話をするも繋がらないので今日も携帯電話のみ。午前中マッサージに行き、午後クリーニング店に行こうかと思ったが、クリーニング店はこの前転倒した傍なので、嫌になって止めたそう。もう一軒のクリーニング屋さんがクローズしてしまったので、新しい所を探さなければならないらしい。私はさらりとCTの結果が悪く、次回から薬変更ということを報告した。どこまで理解しているか分からないが、「あ、そう、無理しないで休んでね」という感じで通話を切られた。
明日から夫は長期休暇。初日はインフルエンザの予防接種だ。あれこれ病院やらクリニックに行くことになっている。
久しぶりに長い通院日になってちょっと疲れている。私も明日はゆっくりまったり過ごしたいと思う。