ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.1.19 42年経ってもこの曲に胸が高鳴る!~クリードⅡ~

2019-01-19 20:51:02 | 映画

 表題の映画「クリードⅡ 炎の宿敵」を観た。ラッキーなことにペアチケットが当たったので、夫を誘って。
 ロッキーの新シリーズ、2作目である。1976年の「ロッキー」から2006年のシリーズ6作目「ロッキー・ザ・ファイナル」まで漏れなく観てきた。なんといってもあのロッキーのテーマ曲が大好きである。ブラバンでも演奏した思い出の曲だ。我ながら実に単純なのだが、頑張るぞ!の気力が湧いてくる。
 そんな私なのに2015年の「クリード チャンプを継ぐ男」をなぜか鑑落としていた。幸い先日WOWOWで放映されていたので、しっかり録画して予習し、満を持して映画館へ向かった。

 2002年、愛妻エイドリアンをがんで喪い(2006年の第6作でそれがわかるのだが、おりしも自分ががんに罹患した翌年でもあり、ロッキーがお墓の前に椅子を置き、妻に話しかける姿が切なくて涙を誘われたのを覚えている。)、ロッキーも寄る年波といった風貌ですっかりしょぼくれている。
 「クリード チャンプを継ぐ男」では奇しくも亡き親友アポロ・クリードの息子アドニスに請われてトレーナーとなる。トレーニングを続ける中、初期のリンパ腫が見つかる。妻の闘病を見てきたからだろうと思われる諦観した台詞が重い。当初、治療しないというが、アドニスに説得され、闘病しながら2人でチャンピオンベルトに挑む。実の親子を超えるほどの弟子との関係が築かれていく。一方、一人息子のロバートはカナダに住み、ずっと疎遠であることもわかる。孫もいるが、会ったこともないようだ。

 それから3年。本作では、33年前の第4作「ロッキー4 炎の友情」でアポロをリングの上で死に追いやった旧ソ連のボクサー、イワン・ドラゴとその息子ヴィクターが、ロッキーと今は世界チャンピオンとなったアドニスに挑戦状を叩きつけてくる。イワン・ドラゴはかつてロッキーに敗れたという因縁もある。アドニスとヴィクター、それぞれにとっての父親の弔い合戦である。憎しみしか持たない彼らと試合をする意味はない、とロッキーからセコンドを断わられ、リングに沈んだアドニス。その後、再起をかけてロッキーとデス・ヴァレーで地獄の特訓を重ねる。ロッキーが病を克服したことがうかがえる。

 イワン・ドラゴも60歳を超え、かつての氷のような殺人ファイターの面影は消え失せている。深く刻まれた皺から、ロッキーに敗れた後、悲惨な人生を送ってきたことが見て取れる。妻に去られ、「国辱!」と罵られ、一人息子を鍛えあげることだけを頼りに生きてきた30余年間。そのしごきに耐え、厳しい父と、自分を捨てた母に認めてもらいたいと願う息子の孤独とやり場のなさ。とんでもなく強い大男の胸に秘められたその切なさが胸に迫る。

 本シリーズではロッキーもドラゴも戦わない。セコンド役に徹している。ラストシーンで“It’s your time.”とロッキーが言うように、アドニスたちの時代の幕開けである。
 アドニスはアポロの息子とはいえ、愛人の子だ。父とは会ったこともない。施設で育っていたところ、アポロの正妻メリー・アンに引き取られともに暮らすようになる。歌手であるビアンカと交際を続け、本作で結婚、女の子の父となり、父の墓前で勝利を報告する。ロッキーも自らの息子ロバートを訪ね、和解する。このシーンも素敵。実生活ではスタローンは一人息子を亡くしているという。ロッキーの部屋に飾ってある息子とのツーショットは、実の子とのものであるということを知り、ぐっときた。イワン・ドラゴもアドニスとの死闘で最後にはヴィクターにタオルを投げ、すんでのところで息子の命を救う。

 ボクシングシーンのリアルな描写もさることながら、こうした3組の父と息子のドラマも効果的に組み込まれていて、胸が熱くなる。ドラゴ父子を捨てた母を演じたブリジッド・ニールセンがそのままの役で出演していたのにも驚いた。私生活では54歳で5番目の夫の子供を出産したという話にも恐れ入ったが、30年の重みを感じる登場だった。

 それにしても、あの「ロッキーのテーマ」が本当にここぞ、という絶妙なタイミングで鳴り出すのである。否応なく胸が高鳴る。横で観ていた夫曰く、あの音楽が流れ出した瞬間、私の身がぐっと前に乗り出したのがわかった、そうだ。そうなのである。身体を乗り出して2時間10分、涙も滲ませつつ堪能した。
 やっぱりいくつになっても私はロッキーが好き。42年もの間、この役を演じ続けているスタローンは凄い。大満足の1本だった。

 と、一晩過ぎても興奮冷めやらないのだけれど、今日は大ポカをやってしまった。月に1度のお楽しみマッサージWさんサロンの予約はいつも日曜日。手帳にも明日にチェックをしていた。すっかりその気で今日は土曜日恒例の寝坊をし、ごみ捨てと洗濯を済ませ、夕飯のポトフの仕込みをして、さて、お昼の時間・・・ふとラインを見ると、Wさんから「今日はご予約ではなかったでしょうか。ご体調が悪いのでは、と心配しております」と連絡が入っていた。なんということか。慌てて予約カードを見ると確かに明日ではなく今日であった。この思い込み・・・なんと間抜けなことか。平謝りをして明日はいかがでしょうか、と訊くと午前中は予約が入っていたが、午後からなら、と入れて頂いた。本当に申し訳ない。新年早々しっかりしなくては、という出来事である。

 今日は澄み切った青空が広がる穏やかな土曜日だった。センター試験初日。例年雪の心配をするのだけれど、暖かくてよかった。それでも空気が乾燥している。受験生には体調を崩さず頑張ってほしいと思う。
 午後から夫がクリーニング店に行くのに同行して、ついでにお散歩がてらカフェで遅いランチをしてきた。

 ところで体調のことであるが、久しぶりに胸痛が引かず、空咳も気になる。ロキソニンに加えてコデインのお世話になる。なんとか落ち着いてくれると良いのだけれど。そろそろアリミデックスの副作用で手指のこわばりも気になるレベルになってきた。うまく付き合っていかないと・・・。
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