ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.1.9 レントゲン後腫瘍内科診察、ハーセプチン206回目(3倍量再開17回目)、治療始め

2019-01-09 22:19:58 | 治療日記

 昨日は仕事を終えてスーパーで買い物を済ませ、いったん帰宅。夕食の支度をして夫の帰りを待ち、夕食を摂ってから病院最寄り駅に近いホテルに向かった。

 行きの車内で木村誠さんの「大学大崩壊 リストラされる国立大、見捨てられる私立大」(朝日新書)を読み始めた。帯には“5年後、こんな大学が危ない!詳細データで解明!”とメジャーな大学名が踊っている。とりあえず勤務する大学名は見当たらないが・・・。
 趣味の読書というよりも仕事の延長みたいな感じのチョイスになってしまったが、実際に大学に勤務しているからこそリアルに感じられる話題も満載で、なかなか面白い。科研費の有効利用に見る国立大学の優劣やら、教育力を示す専任教員率の高低、実志願者の比率の高低などなど。奨学金の貸与と滞納の実態にも話が及び、ホテルに着いてからも読み続けてしまった。
 大浴場付きの宿だったので、ゆっくり入浴。いつもより少し早めに眠りにつくことが出来た。

 明け方1回お手洗いに起きるまでに6時間たっぷり眠り、1時間ほどトロリとしてモーニングコールが鳴った。夫にモーニングLINEを入れたら、すぐ返事が戻ってきたので、安心して朝風呂へ向かう。ほぼ貸し切り状態でさっぱり。身支度を整えてレストランへ。昨夜は、夫と一緒に食後の甘いものの時間(これを続けているからメタボになるのだ!)がなかったので、お腹がしっかりすいている。お野菜タップリのビュッフェでお腹を満たし、朝の連続テレビ小説を視、チェックアウトして病院へ向かった。

 いいお天気。澄み切った青空だが、北風が冷たい。予想最高気温は10度に満たないという。今年初めての病院、先月から4週間ぶりですっかりご無沙汰である。
到着し、IDカードを通すのに並ぶ。年明けの病院、さすがに混んでいる様子だ。今日は採血がないので、そのままエスカレーターで2階レントゲン受付へ。時間が早かったせいか受付が始まったばかり。20番の番号札を取って呼ばれるのを待つ。15分ほど待って受付を済ませ、中廊下へ移動。こちらでは5分ほどの待ち時間で呼んで頂いたが、更衣室で足止め。ブラトップ着用で着替えもないのだが、前の方が撮影に時間がかかったようで、狭い個室で息苦しさを感じながらかなり待つことに。

 今日も正面と左側面からの2枚。スムーズに撮影が終了して、エスカレーターで1階の腫瘍内科へ移動する。既に待合椅子にはたくさんの患者さんが待っている。席を確保するのが大変だ。受付で月初めの保険証のチェックもお願いして、席について読書を始める前に呼吸を整えて血圧測定。101-69、脈拍は83。

 本日のお伴は松田純さんの「安楽死・尊厳死の現在 最終段階の医療と自己決定」(中公新書)。帯には「いま死とどう向き合うべきか オランダで年間6000人を超え、各国も続く合法的な安楽死。自己決定はどこまで許されるのかー」「認知症の人々をめぐり問題化も」とある。「はじめに」にあるとおり、超高齢社会、多死社会の今、死について語ることがタブーではなくなり、終活ブーム、最期、看取り、相続、葬儀、墓などの話題が尽きない。既にアラ還の私だから、病とともになくともそろそろ考えてもいい話なのだろうけれど、健康な人たちよりは考え始めた時期は早いかもしれない。

 安楽死事件と裁判の判決から始まり、オランダの実態、ベネルクスの残り2国、カナダの状況、オレゴン州の実情、人生の最終段階の医療、古代から現代までの自己決定、安楽死論に至る思想の歴史の流れが論じられた。頭を整理するのに読みやすかった。最後は治らない病気の対極に位置する、WHOが定義する「完全な良い状態」としての健康―この健康観の再検討を通じて、安楽死と医療の使命についてとらえ直されている。
 健康を「完全に良好な状態」という静止状態としてとらえるのでなく、疾患によって様々な問題を抱えていても、それに対処し乗り越えていく「立ち直り、復元力(レジリアンス)」としてとらえること、様々な薬や補填具、機器、医療や介護の力などを支えにして、症状を和らげ(緩和)、気落ちすることなく人生を前向きに歩いて行けること、その力こそを「健康」としてとらえるーこの概念のくだりに膝を打った。ならば、私は満更病人ではないな、ちょっとニヤニヤしながら。

 採血がないので、今日は早く呼ばれるだろうと思っていた通り、2番目に中待合へどうぞの番号が出た。中廊下で15分ほど待ち、先生がお顔を出された。まだ病院到着から1時間ちょっとである。早い。

 大荷物を置いて、「おはようございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします」とご挨拶。席に着くと、体温計を渡され、検温。36度8分である。
 「さて、年末年始、いかがでしたか」と問われ、「4週間は長かったです。前回の治療後、翌日あたりから胸痛が酷く、コデインを飲み、ロキソニンも三度三度、数日続けました。その後少し落ち着きました。クリスマスの夜いきなり8度5分の発熱があり、翌日7度台には戻りましたが、年末年始まで頭が痛く、葛根湯とロキソニンが手放せませんでした。とはいうもののあれこれ出かけましたし、やりたいことは出来ました。」とお話しする。

 「おかげさまで今は風邪も抜けて元気です。ただ○○市は寒いので今も鈍痛はありますが・・・」と前回の話題を先手必勝で先生がおっしゃる前に言ってしまう。なんとなく保護のために手袋をまだ外せていないのだけれど、先生がご覧になって「まだしていないとだめですか」と仰るので、「念のためです、大分綺麗になりました。」とお見せする。今の季節、乾燥しているし、仕事の際に紙で切ったりすると痛いので、手袋は結構優れモノなのである。

 さて、既にレントゲンの画像が2枚並んでPCの画面に映っている。今回と11月のもの。ぱっと見あまり変わっていないように見える。先生も「詳細はよくわからないけれど、あまり変わっていないようですね、2月か3月にCTを撮りましょう。前回9月だからそろそろ、のタイミングではありますが、治療変更したのが11月からなので、そんなに急いで撮らなくてもよいかな」というお見立て。

 それでは今日も予定通り治療しましょう、ということになった。「アリミデックス(ホルモン剤)で身体はとても楽ですし、副作用である関節痛も今のところ気になりません。来月、再来月と息子の新居探しと引っ越しの手配等で関西に行くことになりますし、年度末で仕事も繁忙期なので、できれば今年度一杯は今の治療で粘りたいです」と希望をお話しする。「2月か3月にCTを撮って、治療変更となれば4月以降で大丈夫でしょうか」と調子に乗って言い足したら、「まあ、それは状況によりますね~」とかわされてしまった。ごもっとも、である。
 これにて今年初めての診察は終了。今月は3週間後、2回目の通院が月末にある。次回は採血で腫瘍マーカーの変動もチェックすることになっている。

 アリミデックスを21日分と、ロキソニンが大分活躍して予備がなくなってしまったので、久しぶりに追加で21日分処方して頂いた。ご挨拶して診察室を後にし、化学療法室に入ると、まだそれほど混んでいない様子。
 呼ばれるのを待ちながら夫やお友達に報告LINE。ほどなくして看護助手さんから窓側の端から2番目のリクライニング椅子に案内される。
 お手洗いを済ませ態勢を整えて、読書を続ける。15分ほどしてヘルプに入られていたSさんが見える。私としてはとてもラッキーだ。良かった!とご挨拶して針刺しをお願いする。お正月明けで混んでいるので大分お疲れのご様子。しかも化学療法室OGで、遊軍でヘルプに入っておられるのだから、大変だ。逆血を確認して薬が届くのを待つ。今日は採血もなかったし、針刺しはこの1回のみである。

 空いているように見えたので始まりも早いかしらと思ったけれど、さにあらず。その後30分以上待って、ようやくMさんが薬をセットにみえる。カルテを見ながら「あの後痛んだのですね、熱も出たようで・・・」と訊かれる。箱根に行くこともお話ししていたので、そんな話題も交えながら、薬がセットされていく。
 先月受け取っていた職場の婦人科検診の結果表を持ってきていたのだが、診察中に先生にお見せするのを忘れてしまい、伝言をお願いする。まあ異常なしなので、大事ではないけれど。

 ハーセプチンと生理食塩水で1時間半弱。本を読みながら途中とても眠くなってしまいウトウト。終了間近に血圧を測って頂くと、107-55、脈拍は69。
 抜針もMさん。針を固定するテープがかなりビッチリ貼られていて、なかなか剥がれずに痛んだ。皮膚が弱くなっており、粘着テープですぐに赤くかぶれてしまう。それなりに衝撃もあり、ちょっと深呼吸。部屋を出るまでにOkさん、Krさんにも「今年もよろしくお願いいたします。」とご挨拶して部屋を出た。

 総合受付で会計。混雑している。30分ほど待ってようやく番号が出て支払機にIDカードを入れると、窓口でどうぞ、と出てしまい、窓口へ確認に。すると窓口では「もう大丈夫なので機械でお支払いを」とのこと。「もうこちらに並んでいるし、また支払機に戻るのは・・・」と言うとその場で手続きして頂けた。
 病院滞在時間は4時間半弱。レントゲンと点滴の3割負担の3万3千円ほどカードで支払う。

 外は明るい陽射しで暖かそうだけれど、相変わらず風が強い。コートの前を開けていると寒さが沁みる。
 薬局も混んでいる。これは待つな、と覚悟したが、40分ほどで済んだ。アリミデックスとロキソニン21日分で3,500円弱をカード払い。薬剤師さんにも「今年もよろしくお願いいたします」とご挨拶して薬局を後にした。

 病院と薬局の合計滞在時間は5時間強。朝しっかり頂いていたのでそれほど空腹を感じない。そのままJRに乗って途中駅で下車して、ランチ。ゆっくり頂き、本も読み終わった。

 乗換駅のスーパーでお弁当とサンドイッチやサラダなどを買い求める。大荷物になって最寄駅に到着。ラッキーなことにタクシー乗り場にご贔屓のタクシー会社が待っていてくれたので、そのまま乗って帰宅した。
 生協から配達された食品を運び入れ、収納を済ませる。洗濯物などあれこれ片付けてようやくリビングに座ってビデオをかけたところでウトウトしてしまう。いつのまにか夫が帰宅していて、起きてからお弁当とインスタントのスープで夕飯を終えた。

 明日はまた都内横断の出張である。加齢の所為か以前に比べて通院日はかなり疲れるようになった。ハーセプチンだけだからそれほど副作用があるわけでもないのだけれど。
 今日も早めに休むことにしよう。
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