ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2009.11.14 虹のサロン

2009-11-14 19:35:33 | あけぼの会
 今日はあけぼの会東京支部主催の『おしゃべりサロン&虹のサロン』に初参加。「虹のサロン」は再発会員限定の交流の場で、「おしゃべりサロン」とは別の会議室で開催だ。会場が水天宮駅近くのビルだったのだが、14年前に妊婦だったときに、両親と夫と訪れた水天宮は、おりしも七五三のかわいいちびっ子たちで大賑わいだった。懐かしく見ながら会場に入ると、虹のサロンの出席者は8名。ひとつのテーブルに座り一人一人が病歴と治療の状況を紹介するだけであっという間の2時間だった。同じ病気とはいっても本当にいろいろなパターンがあり、お一人お一人とても前向きに、大変な思いをされながら病気と向かい合っていることを実感。私もがんばりすぎずにがんばっていこう、と元気をもらって帰宅した。

さて、私のブログ「ロッキングチェアに揺られて」―あせらず、あきらめず、頑張りすぎず、再び誇り高く美しく、を目指す日々・・・って?ということについて少し書いておきたい。

 ブログを開設することになって、まずタイトルを決める時、とにかく、今のところ完治しないことを受け入れなければならない病気は抱えているけれど、それでも日々少しでも心穏やかにここちよく暮らしていきたい、という強い想いを発信していきたかったので、最初は「Easy Living」にしようかと考えていた。
ただ、これはスタンダード・ナンバーのタイトルで、このニュアンスを多くの方たちに分かって頂けるかどうか自信がなかった。決して「お気楽で怠惰な生活」ということではないので、やはり気取らずに日本語にしよう、と思うようになった。

そもそも夫のジャズ好きに影響されて何曲か好きな曲のタイトルを考えたけれど、どれも一長一短で、絶対にこれ、という決め手がなかった。結局「ロッキングチェア」というタイトルに「に揺られて」を加えてみたら、結構しっくりきた。あたかもロッキングチェアに揺られるようにゆったりとここちよく、これからの人生、ちょっぴりのんびり、うとうと居眠りする時間があってもいいじゃない・・・、という思いだ。息子からはなんだか居眠りばあちゃんみたい、と言われているけれど。

サブタイトルはご覧のとおり、やけに長い。タイトルだけでは表現しきれなかった言葉を選んで集めた。病気を抱えながらも心地よい暮らしをしていくために、日々自分に言い聞かせている言葉たちである。
「あきらめない、がんばらない、それでもやっぱりがんばらない」はご存知のとおり鎌田實先生の三部作だ。

「あせらない」-そもそも私はとてもせっかちで、何でもすぐに結果が出ないと・・・と思う性質(たち)だ。
それではだめだ、ということが病気になってよく分かったはずなのに、それでも生来の貧乏性のせいか、意識して言い聞かせていないと、すぐにあせる。とにかく、ことこの病気と付き合うことになって以来、あせってみても何も始まらないのだから。何があってもあせらず、受け入れる。それからゆっくりその状況でどうしたいのかを考える。それを自分に言い聞かせるために、自戒を込めて「あせらず」。

「あきらめない」-これもこの病気と付き合う上で実に大切なことだと思う。とにかく医学の進歩は日進月歩。あと数年も経ったら本当にオーダーメイドのがんワクチンが標準治療化しそうな勢いを感じる。たとえ今のホルモン剤やハーセプチンが効かなくなっても、まだ次の手、次の次の手、くらいはある。そうして粘っているうちに、ある日きっと未来が開けるーという願いをこめて「あきらめず」。

「がんばらない」-もちろんこの病気の治療を続けていく上で「がんばらない」とだめな時もある。今では週1の通院プラスアルファの検査くらいは、特にがんばらなくても自分の生活の一部になっている。ただ、ここぞ、という時にはやはり「がんばらない」と乗り切れないことも多いのだ。たとえばタキソテール6クールのように。
それでも「がんばりすぎる」のは再発患者としてはもうウエルカムなことではない。がんばりすぎてQOLを落としてしまうことは、やはり嬉しくないことだから。だから「がんばり過ぎず(、ほどよく頑張って)」。

最後の「再び誇り高く、美しく」はあけぼの会のキャッチフレーズであるが、これから逃げることなく病気としっかり向き合って、胸に傷がある身、いじけることなく背筋をすっと伸ばして生きたい、という心の琴線に触れたので、ちゃっかり拝借させて頂いている。では、病気をする前の私が「誇り高く、美しかったのか」と問われれば、仕事、家事、育児、と日々に追われとても潤いのない生活をしていたから、ずうずうしくとてもそうは言えないけれど、また、これからもこのスローガンどおりにはならないかもしれないけれど、心意気だけは、ある。

そんないろいろな思いをこめて、こんな毎日を目指す心意気をもって日々ブログを書いている。私のちっぽけな思いを分かって頂ける方、どうかこれからも引き続きよろしくお願いいたします。
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