goo blog サービス終了のお知らせ 

ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2016.1.20 次回は3カ月後に安堵

2016-01-20 20:29:31 | 日記
 今日は休暇を頂いて、母の術後経過観察のための通院に同行した。
 日陰はまだまだ雪が残っていて足元が悪いし、朝の予約時間が早かったので、昨夜は、出産後1か月ほど世話になって以来、実に20年ぶりに実家に泊まらせてもらうことにした。まあ、これほど実家に寄りつかない娘がいるのか、と驚かれそうだが、何せ改築しているとはいえ基は築50年の木造平屋建てである。

 なんといっても冬は半端でなく寒い。隙間風があちこちから入ってきて、足の下から深々と冷えてくる。暖房を入れてもなお寒い。どうして高齢の両親が風邪を引かずに済んでいるのかと思うけれど、ひとえに慣れによるものなのだろう。ああ、もっと元気があるうちに鍵1つで出かけられるマンションに引っ越しておけばよかったのに・・・と思うが、当時は取り合ってもらえなかったし、今に至ってはもうそんな気力も体力もないだろう。

 というわけで、早朝、両親が目覚ましにしているラジオの大きな音に起こされる。自宅のようにパジャマのままでうろうろするのはやめにして、しっかり着替えて身支度を整え、万全の態勢でまだ温まっていない台所に臨む。
 昨日買っていったパンを両親とモソモソと食し、洗濯物を干し、タクシーを呼んで病院に向かった。父は1時間ほど留守番して、デイサービスのお迎えの車を待つという。

 病院に入ると、もの凄い混雑だった。ああ、これはまた何時になるかわからない・・・と覚悟を決める。どうも市内高齢者の健康診断の日とぶつかったようで、採血や採尿コップを持った方たちで溢れている。それでも30分ほどすると母の名前が呼ばれ、検査を終えて2階の外科に向かった。

 待つこと1時間弱。前回から約2か月ぶりの診察だ。若々しいT先生に「今年もどうぞよろしくお願いいたします」とご挨拶をする。本人が薬の助けを借りることなく自力で排便が出来るようになり、大分楽になったということで、先生は「気落ちされていたので、どうされているかと・・・」と優しく食事や睡眠等の様子を訊いてくださる。

 採血の結果がプリントされているのを見ると、ヘモグロビンが8だったりとL(基準値より低い)の数字はそれなりにあったので、貧血の心配はないかと確認したところ、「術前も貧血だったけれど術後輸血をしているわけでも鉄剤を飲んでいるわけでもないので、このくらいなら徐々に改善するでしょう、バランスよく食事を摂ってくださいね。」とのこと。
 母の様子からそれなりに食欲もあり、眠ることが出来、気力が出てきたのを受け取ってくださったようだ。体重は相変わらず退院時と同じ33kgで3kg減のままだそうだけれど。

 さすがにずっと引き籠っている生活に飽きが来たのか、「そろそろ体を動かしてもいいでしょうか。」と母が訊くと、「もうどんどん動いてください。」とお墨付きが出た。母の顔はパアッと明るくなり、「では体操教室や、歌の教室も(大丈夫でしょうか)?」と言っている。
 先生は「まあ、今日のような日に外に出て滑って転ばないようにすれば」との冗談までおっしゃる。現金というか単純というか、母は本当に嬉しそうで、自信がついた模様。隣で聞いていた私もほっと安堵する。
 次回は術後半年経過のため、4月に造影CTと採血、1週間後に結果説明で診察の予約が入った。

 とりあえず、昨年9月以来の直腸がん騒ぎはこれにて一段落といったところである。後は5年間再発さえしなければ、立派なサバイバーに仲間入りだ。

 会計を済ませ、薬局に移動して処方された睡眠剤を頂く。病院と薬局を合わせての滞在時間は2時間半弱。思いのほか早く、ほっとする。昨日から、寒さの所為か胸痛が再燃してちょっとしかめっ面だったのだけれど、少しだけ緊張がほどけた。

 風は強かったけれど、雲一つない青空。残雪が反射して眩しく、陽だまりの中はとても暖かい。少し早いけれど朝がいい加減だったし、と近くの洒落たカフェに入ってみる。
 ストーブが暖かく燃えるサンルームに座り、ポカポカとまるで温室にいるようなテラス席で、食事とケーキとお茶をゆっくり愉しんだ。こんなふうに母と平日にランチが出来るというのも病気のお蔭と思うと、ちょっと皮肉なことだけれど、これもまた神様の贈り物と思うことにしよう。

 お腹一杯になったところで夫へのお土産にケーキを買い、お腹ごなしに散歩しながらゆっくり実家に戻った。
帰宅すると洗濯物が乾いており、片付けを終え、頼まれた書類を書いたりしてお役御免。電車を乗り継いで無事、帰宅した。

 自宅には今年初めてのお花が届いていた。
 濃淡のピンクと白のスイートピーがそれぞれ3本ずつ、スイートピーとのベストコンビであるかすみ草が1本と紫色の星のようなリューココリーネが3本、春の香りを運んでくれる菜の花が2本。花瓶に投げ入れたら、すっかり気持ちが春らしく華やいだ。
 花言葉はそれぞれ「青春の喜び」、「清い心」、「温かい心」、「快活」だという。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする