ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2015.10.3-4 嬉しさ半分、切なさ半分・・・

2015-10-04 22:19:49 | 日記
 土曜日。
 夫は休日出勤。いつも通りの時間に起きて送り出した後は、終日一人の時間だ。まずは朝の8分ヨガで、心と身体を穏やかにクリアにする。
 日曜日の父のショートステイ入所、月曜日の母の入院、火曜日の手術等、目まぐるしいほど色々あった1週間だった。金曜日に母の見舞いに行き、持ち帰った洗濯物の片付けからスタート。
 秋晴れで洗濯には絶好の日和だ。ゆっくり新聞を読み、読みかけだった本を読み終わり、撮りっぱなしだったビデオを視て、午前中が終わる。独り簡単な昼食の後は、掃除と夕食の下ごしらえを済ませ、パリッと乾いた洗濯物を取り込み、気分転換に夕方からのインナービューティヨガに参加。12人ほどの参加者で、久し振りにゆったりのんびり時間を過ごすことが出来た。

 日曜日。
 今日も爽やかないいお天気だ。午前中は予約していたマッサージサロンに出かけ、この1週間で凝り固まった疲れを癒して頂く。夫と合流し、食事を済ませてバスを乗り継いで母の病院へ向かう。
 病室に入ると、ちょうど歯磨きをしている所だった。点滴棒が部屋の隅に置かれて、一昨日にはまだ沢山繋がっていたチューブが取れている。訊けば、今朝、入院以来左手から取っていたルートを右手に替え、半分ほど点滴をしたところで回診があり、点滴終了となった模様。腹帯も外して、血栓予防の着圧ストッキングも脱いでよい、シャワーもOKと言われたという。とはいえ、一人でシャワーを浴びるには自信がなく、看護師さんも手薄な日曜日ゆえ私の到着を待っていたそうだ。
 金曜日には、術後せん妄が出ており、その日は行っていない夫と父が見舞いに来たとか、ケアマネさんが天井から覗いていたなどと、驚くようなことを言っていた。看護師さんからは、貧血症状もあり、全身麻酔の影響で術後にせん妄が出るのはやむを得ないことだし、もっと酷く出る方も沢山おられるのでそれほど心配することはありません、と言って頂いていたけれど、正直なところかなり不安だった。それを思えば今日は顔色もよく、きちんと会話が出来、笑顔も出ていてほっとした。
 シャワーチェアをお借りして、夫にちょっと外してもらってシャワー浴を介助。1週間ぶりにさっぱりとシャンプーも済ませ、気持ち良かった様子。さすがにお臍から恥骨までの一直線の傷はかなりの大きさだけれど、膿んでいるわけでもなく綺麗で順調だとのこと。
 20日間という当初の予定より早く退院出来そうと言われ、本人はすっかりその気になっていて、一日も早く家に帰りたい、と言っている。私としては、この状況でいきなり自宅で一人暮らしは余りに心配だし、毎日実家に通うことも出来ないので、少し大事をとってゆっくり静養してほしいのだけれど・・・。
 2時間半近くあれこれお喋りしながら過ごし、病室を後にする。

 次は、バスを乗り継ぎ父のいる施設に到着。私が部屋に入ると、ソファーに座って般若心経を手にしてじっとしていた。さぞかし退屈なのだろうな、と思うとちょっと切ない。ほどなくして、ヘルパーさんが3人分のお茶を運んでくださる。
 フロアマネージャーのKさんもいらして、最上階のラウンジでお食事の用意が出来ていますので、まもなくご案内します、とのこと。朝、担当のOさんに、夕方夫と2人で訪問し、父と一緒に夕食を一緒に摂りたい旨ご連絡をしていたのだけれど、父はそれを知らされていなかった様子。普段は自分の部屋に近いダイニングルームで食事を摂る父は、私達と一緒に食事が出来るとは思っていなかったので、なんだかちんぷんかんぷんなことを言っている。
 母の経過は順調で、今日のお昼から五分粥が出ていると説明し、ベッドの上に腰かけている母のデジカメ画像を見せると、手を合わせて良かった、良かったと拝んでいる。
 月曜日に従姉が、火曜日には夫が面会に行ってくれたのだけれど、私は毎日母のところに顔を出すのが精一杯で、父のところに来たのは入所以来初めて。申し訳なかったけれど、身体は一つだし、自分の通院治療もあり、仕事もあり、最初から飛ばしていてはとても持たない。

 最上階のラウンジに配膳して頂き、3人で夕食。お魚の煮付けや野菜の煮物など、お年寄り向きの上品な薄味の家庭料理だ。夫も私も空腹であっという間に平らげる。三面が大きな窓で夜景が綺麗だ。父はなんとなく落ち着かないようで、食事を済ませると早々に、自分の階の食堂に降りようという。顔馴染みのヘルパーさんに、珈琲を淹れてくれと我儘を言っている。
 いつも父が使っているテーブルには94歳だという女性が1人座っており、4人で一緒にお喋り。別のテーブルには一人の男性が突っ伏して座っている。徘徊する90歳の女性がいて、部屋に連れていかれたり、そんな光景になんとなく切なくなってくる。
 お茶を飲み終わり、部屋に戻ろうとすると、隣の部屋の女性がパジャマ姿で出てきて「明日は何時に起きるの」と何度も何度も訊いてくる。何とも答えようがないけれど、納得してくれないので、夫がヘルパーさんを呼びに行く。歳を重ねて生きていくことの厳しさを改めて突き付けられる思いだ。とはいえ、こうして手厚い介護を受けられる施設に入ることの出来る方は恵まれている。そう言ってしまえばそれ以外の何物でもないのだけれど・・・。

 父はこの1週間、母のことが心配でろくに眠れなかったけれど、今日はゆっくり眠れると言い、母がすっかり体調を回復するまで、ここでお世話になると繰り返していた。
 結局、2時間ほどいて、帰りのシャトルバスの時間に合わせて父の部屋を後にした。

 明日からまた新しい1週間が始まる。勤務先の大学では10月から後期が始まり、色々なイベントもあり、毎日の病院通いはなかなか難しい。なんといっても私が体調を崩すわけにもいかない。出来ることを出来るときに、を肝に銘じつつ過ごしていかなくては。
コメント (2)
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