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生き生き箕面通信

大阪の箕面から政治、経済、環境など「慎ましやかな地球の暮らし」をテーマに、なんとかしましょうと、発信しています。

生き生き箕面通信851 ・日本政府の無能さが世界のさらしものに

2011-04-06 06:28:36 | 日記
おはようございます。放射能汚染水の放出は、「日本人による世界への環境テロ」と批判され始めました。
生き生き箕面通信851(110406)をお届けします。

・日本政府の無能さが世界のさらしものに

 日本が放射能汚染水を自然(海)へ放出し始めたことに対し、世界から批判が高まっています。今回の福島原発事故に関しては当初から、まず「日本の情報隠し」という批判があり、その後の措置に対しても「なぜもっと早く想定される危機に対して対応がとれないのか」という不満や疑問が多く出されています。日本の多くの人々が感じているフラストレーションを、世界はもっと鋭敏に感じていると言わざるを得ない状況です。

 放出され始めた放射能汚染水は、国際的な取り決めである「海洋汚染防止条約(ロンドン条約)」違反の指摘もされています。

 そもそも放射能汚染水は低レベルと主張していますが、どの程度のレベルでどの程度の水量が放出され、そこに含まれる放射性物質の総量はどれだけあり、それはどのような影響が考えられるのか、いつまで続くのか、そうしたことに十分説明していません。実際には、「超高濃度の汚染水と高濃度の汚染水があり、今回は高濃度の汚染水を放出します」というべきものなのです。周辺各国にも十分説明せず、いきなり放出し始めたのですから、各国が怒るのは当然です。国内の漁業関係者からも強い反対が出ています。農水省からさえ「事前に説明がなかった」と不満が出る始末。この一連の動きの中からもくきいりと浮かび上がってくるのは、事態に対応しきれていない菅政権の無能さです。

 菅首相は、事故発生以来、記者会見は4度行いましたが、一方的に自分の言いたいことを言うだけで質問は受け付けない形です。震災前の「ぶら下がり」会見も拒否し続けています。非常事態には、リーダーがしっかりと自分の考えを明らかにし、さまざまな疑問にも答えつつ危機を乗り越えようとする姿勢が不可欠です。ところが、菅首相からはそうした考えが伝わってきません。語らずして「無能さ」をさらけ出していることになります。

 こうした状況に対しては、ジャーナリズムがきちんと主張を明確にする義務があります。本日の読売社説は「冷却機能の回復で放出止めよ」という見出しでした。しかし、これは話になりません。よくもまあこれほど無内容の文章を「社説」として表に出せるものだと、あきれてしまいます。冷却機能の回復を懸命に図ろうとしても高レベルの放射能に妨げられて修復箇所にすら近づけない状況があり、機能の回復ができないから「放出」するわけで、「冷却機能の回復で」といまさら言われても、「そんなことは誰でも分かっている」ということです。読売の論説陣の頭も、菅さんに対すると同様に疑いたくなります。

 朝日の社説は、「政治がもっと責任担え」という見出しで、まだましでした。「最終的な責任を負うべき政治の影が薄い」と指摘したうえで、「国をあげた強力な態勢が必要だ」と主張しました。ただ、菅首相は、石を投げれば対策本部にぶつかるくらい、たくさんの対策本部を作りました。しかし、「船頭多くして船、山に登る」たぐいで、全体が有機的に動く形になっていません。つまりは、いくら形を整えても、無能なら機能しないのです。結局、強力なリーダーシップを発揮できる人間こそ求められているのではないでしょうか。

 その点、発売中の週刊朝日(4月15日号)では、田原総一朗氏が極めて勇気ある提言をしています。見出しは「 小沢氏を震災の統合戦略本部長に起用せよ」です。この段階で、田原氏からこのような提言がされるとは思ってもいませんでしたから、びっくりしました。しかし、この「小沢起用」こそ、いま至急実行すべきことだと、ぼくも賛成です。

 こうした決断ができない日本は、菅首相と一蓮托生で日本人まるごと、世界から「無能者」とされ、「世界への環境テロの実行犯」とされることになるでしょう。残念です。


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