生き生き箕面通信

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生き生き箕面通信557 ・「菅直人政権は外務官僚に包囲された状態で発足した」

2010-06-12 06:37:02 | 日記
お早うございます。小惑星「いとかわ」から満身創痍で帰還する「はやぶさ」は明日、地球の大気圏で燃え尽き、カプセルだけを放出します。
生き生き箕面通信557(100612)をお届けします。

・「菅直人政権は外務官僚に包囲された状態で発足した」
 昨日6月11日の所信表明演説で菅首相は普天間基地移設問題でこう述べました。「今月23日、沖縄全戦没者追悼式が行われます。この式典に参加し、沖縄を襲った悲惨な過去に想いを致すとともに、長年の過重な負担に対する感謝の念を深めることから、沖縄問題についての仕事を始めたいと思います」と。

 菅首相は、市民派出身として心情的には「沖縄は大変悲惨な戦火を経てきたのだから、現状の基地負担をなんとか除かなければならない」と想っていることはまちがいないでしょう。

 しかし、一方で早々とオバマ大統領と電話会談で「(鳩山政権下での「辺野古」を明記した)日米合意は重い意味を持つ」と話し、すでに「辺野古」案を推進する立場を明らかにしてしまいました。これではどんなに努力しても、「普天間の危険」を「辺野古」に移すだけです。根本的な解決どころか、辺野古はアメリカの新しい世界戦略基地として、日本が初めて建設する(従来の基地は米軍が建設)ものとなります。

 外務官僚だった作家の佐藤優氏は今週号の「週間金曜日」(6月11日号)で、「菅直人政権は外務官僚に包囲された状態で発足した」という題の貴重な見方を次のように示しています。

 「六日未明、菅直人次期首相は、オバマ米大統領に電話し、五月二八日の日米合意を継承する意向を表明した。天皇による認証を得ず、正式に首相に就任していない菅氏が対外的に日本国家を代表することはできない。もちろん外務官僚もそのことを充分理解している。その上で、左翼・市民派的な世界観をもつ菅氏が、普天間問題で沖縄県外と言い出す可能性をあらかじめ封じ込めておこうとする外務官僚の集合的無意識が、天皇による認証を無視し、菅氏に外交活動を行わせたと筆者は見ている。菅政権は外務官僚に包囲された状態で発足した」

 つまり、まだ正式に発足もしていないホヤホヤのどさくさにまぎれてあっという間に「普天間の決着」をはかった外務官僚の手際のよさを指摘しているのです。「何としてもアメリカ離れは食い止める。日本にはアメリカと一蓮托生の道しかない」という外務省中枢部の思いが露わになりました。それは、官僚の勝利を霞ヶ関内外に鮮明にする「事件」でもありました。

 これからの日本外交は、アメリカのポチを勤め続けることになります。先日、イギリスでは、イラク戦開戦時のブレア元首相を引っ張り出して「テレビ査問会」が中継されました。「イラク戦争は何だったのか」を検証するもので、背景にはイギリス国民の「アメリカのプードルになるのは嫌だ」という意識があります。

 日本では「検証」は行われるのでしょうか。





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