おはようございます。
生き生き箕面通信1695(130813)をお届けします。
・消費増税は凍結すべき――追い詰められる安倍首相
安倍首相は本当は、「まずいな」と思ったのではないでしょうか。昨日発表されたGDP速報値(4~6月期)は年率換算で2.6%にとどまり、期待を下回ったからです。とりわけショックだったのは、景気のエンジン役である設備投資が、6四半期もマイナスのままだったことです。必至のテコ入れにもかかわらずです。
それでも首相は、「昨年の政権発足以来、順調に景気は上がってきている」と、表面上は強気です。ただ、歯切れの悪さに、迷いがうかがえるようになりました。
麻生副総理兼財務相は、予定通り増税路線を主張。相変わらず財務省のシナリオ通りに踊っています。黒田日銀総裁も、増税推進の口ぶりです。もともと増税推進役として日銀総裁にしてもらったのだから当然です。
しかし、増税を強行すれば、景気の腰折れになるのは目に見えています。5%から8%への3%増税は、10年で75兆円の大増税です。
しかも再来年からはさらに2%増税が加わります。計5%の増税は、10年で125兆円の大増税となる計算です。国民の懐からこれだけをむしり取れば、景気を左右する個人消費が冷え込むことは必定です。
と言って、増税を凍結すれば、「財政再建がムリ」と市場に判断され、国債の金利が高騰するでしょう。国債金利が上昇すれば、日本経済自身が破たん状態に陥ります。
まさに前門のオオカミ、後門のトラ。進むもならず、退くもならず。安倍首相は、実は追い詰められているのです。
発想の転換が必要ではないでしょうか。そもそも、なぜ「経済成長」にこだわるのでしょうか。地球さんは、全身に貼りつかれた70億人以上もの人間という怪獣に食いものにされて、満身創痍、青息吐息です。その怪獣は、そう遠くない将来に100億人を超えると予想されています。
みんながみんな、「掲載成長、経済成長」と資源を食いつぶせば、行き詰るのは明らか。その挙げ句は資源の世界規模の奪い合い。つまり、第3次世界大戦です。
知足安分。足るを知って、分に安んず。アイヌの人々をはじめ、多くの人が自然の恵みをありがたくいただき、決してむさぼらないという生活の知恵のもとで暮らしてきました。
いま、人間というどう猛な生物に求められる唯一の道は、縮小経済の方向ではないでしょうか。日本は、世界に先だって、縮小経済の道に方向転換すべき絶好の転換点に立っています。人口が減少傾向をたどっているからです。現状の経済規模が維持できるものなら、それで充分、暮らしていける方向へ進んでいるといえます。
しかし、本日の大手紙社説を見ると、朝日新聞は「企業に設備投資を訴えたい」などと主張しています。まだ、成長路線にこだわっています。
読売新聞は、どう考えるべきか判断がつかず、結局、「予断を持たず、各方面の声に耳を傾けてもらいたい」と、とても社説とは言えない情けない内容でした。
いまは、政治の賢い判断が求められています。しかし残念ながら、安倍政権の頭脳では歴史に耐える判断はとても期待できそうにありません。
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