おはようございます。
生き生き箕面通信2406(150726)をお届けします。
・「核」に頼らない決断を。日本はNPT推進の先頭に立とう
間もなく8月。ヒロシマ、ナガサキの8月。「核廃絶」の掛け声が高まる8月。しかし、NPT(核不拡散条約)は遅々として進展しない。毎年の8月の風景です。
日本でも、核不拡散運動は、セレモニー化しているのが実情ではないでしょうか。パフォーマンス化して、8月が過ぎると、また「核の傘」の下に安住する日本。
日本は、核を「造らない。持たない。持ち込ませない」という非核3原則を堅持してきたという。しかし、その言葉の裏で、実は「アメリカの核の傘の下」に安住してきたことは世界中に知られています。日本政府も、「アメリカの核の傘」の下で守られることを、日米同盟の核心と位置づけてきました。
世界は、NPT推進を21世紀の課題としています。日本は世界で唯一の被爆国として、NPTの先頭に立つべきですが、実際にはアメリカに遠慮して、日本の存在感はありません。
その根本原因は、日本の指導者層の中に、「潜在的核保有国」の立場を維持したいという強烈な意志が働いてきたからです。現実にプルトニウムを大量に保有し、しかも原爆を製造する原子力技術は充分に持っている。表向き口には出さないものの、自民党の有力者のほとんどは、「いつでも核兵器は造れるぞ」ということを密かな自信とし、誇りにさえしています。それが実態です。
大量のプルトニウム保有は、原発で必然的に出てきたものです。原発を稼働させることによって蓄積してきた大量のプルトニウムを、アメリカも公認して批判されずに保有できる特殊な国は、日本だけです。日本の指導者層が原発にこだわる真の原因は、「潜在的核保有国」というポジションに直結しています。アメリカは、日本のプルトニウムは完全にコントロールできると自信をもっているため、特別に大目に見ています。ともあれ、核兵器の原料であるプルトニウムを現実に大量に保有していることは、厳然たる事実です。
しかし当面は、「アメリカの核の傘」が必要。被爆国である日本のジレンマです。
結局、日本が「世界から核兵器を廃絶する」という運動の先頭に立つには、「核に頼らない」と決断することが先決です。「中国の核が怖い」「隣の北朝鮮も核を持っている」とおびえていては、ジレンマから抜け出すのはムリです。
いまは、決然とした決意を固めるべきときではないでしょうか。国の根本原理として「核に頼らない」と。そして、国連総会の場で、あるいはあらゆる外交の場で、「非核」「核廃絶」を粘り強く説く。訴える。
「そんなことは、非現実的だ。現実世界からすれば、やはり核が必要だ」というのなら、永久に核はなくならない。「核廃絶」など口にしないことです。
アメリカの核に頼らなくても、日本の平和を確実にしていく。そのためのあらゆる外交努力を傾注する。近くの国はもちろん、世界中の国々と仲良くするためのあらゆる手立てに全力で取り組む。そんな国の形をめざそうではありませんか。