おはようございます。
生き生き箕面通信2403(150723)をお届けします。
・砂川判決はそもそも無効。集団的自衛権の根拠にはならない
砂川判決に対して再審を求める訴訟が、元当事者の土屋源太郎さんから出されており、その審理が終盤を迎えました。
砂川裁判での最高裁判決が出された背景には、当時のマッカーサー駐日アメリカ大使の暗躍と、それに呼応する日本側最高裁の対米従属の姿があります。アメリカ国立公文書館が公開した文書の中には、マッカーサー大使が本国宛に送った文書があり、その内容はマッカーサー氏が当時の藤山愛一郎外相を動かし、田中耕太郎・最高裁長官に直接面談して圧力をかけた事実が赤裸々に示されています。
砂川裁判では、当初、東京地裁が「米軍の駐留は違憲とし、基地に入ったデモ隊の人間は無罪」とする有名な伊達判決を出しました。これに強い危機感をもったのがマッカーサー氏。いまからほぼ半世紀前のことですが、無罪判決が出た翌日1959年3月31日の朝早くから、藤山外相、田中最高裁長官を相次いで訪れて密談、高裁を飛び越して最高裁に跳躍上告させるように働きかけました。そして、最高裁で無罪判決を出すように工作、事はそのシナリオ通りに運んだのでした。
ところが、日本の外務省は「そんな文書はない。したがって開示することもできない」と、文書の不存在、不開示を貫き通し、相変わらずのウソツキ外務省ぶりをさらしています。
実は、朝日新聞が一昨日7月21日の社説で、「砂川判決 司法自ら歴史の検証を」という見出しで、この歴史的な違法ともいえる判決を検証するようモノ申しました。
この社説は、「最高裁は憲法の番人である。ところが、その原則を揺るがすような半世紀前の出来事が今も未解明のままだ。司法の独立ばかりでなく、日本側高官の振る舞いは、国家の主権すら忘れ去られていた疑念を抱かせる」と、本来ならアンタッチャブルの“日本の闇”に直接触れるショッキングな内容でした。日本の大手メディアは、いままで知らぬふりして触らないようにしてきた”闇”でした。
しかも、最高裁が「高度な政治的問題については司法は判断しない」と根幹の役割りから逃げた統治行為論についても、「統治行為論は、住民被害の救済を阻む壁であり続けている」と、タブーにも踏み込みました。さらに、「憲法をめぐる議論は活発になっている。国民の信頼を得るには、最高裁はこの歴史の暗部から目をそむけてはならない」と、とどめを刺しました。
この社説は、実は安倍政権への真っ向からの果たし状といえる意味を持つものです。
さあ、最高裁は、再審請求にどんな結論を出すでしょうか。