おはようございます。 生き生き箕面通信1525(130224)をお届けします。
・TPP踊りが始まった――日本が醜い姿へ
本日2月25日の大手紙は、一面トップにいずれも「TPP」を持ってきました。それだけ「大きな事象」という事なのでしょう。しかも、大手紙の扱いは一足飛びに、もう日本が「交渉参加」に踏み切ったかのようです。「TPP」「TPP」と草木もなびく、TPP踊りが始まりました。おそらくこれからしばらくは、イヤというほどTPP踊りに付き合わされるわけです。
まず読売新聞はトップの見出しが「TPP 対米協議加速」「来月にも大筋決着」であり、朝日新聞も「米、『車は例外』要請」でした。読売は、交渉開始どころか、3月には「大筋決着」としました。朝日は、「車」という個別品目に焦点を当て、「アメリカ自身が『車』に関しては日本からの輸入車にかけている関税を10年以上維持したいと望んでいる」と、すでに交渉のテーブルでの話にしました。そして、大手紙の紙面から「TPP反対」の声はかき消されてしまいました。
勝負あった。マスメディアは、これからは「コメの扱いがどうなるか」「国民医療保険などはどうするか」という個別の問題を追っかけることに目の色を変えて伝え続けるのでしょう。
だけど、「TPPが日本社会へ包括的に及ぼす影響」という肝心かなめの視点、とくにマイナスの影響については、意識的に小さく扱うことにすると予想できます。大手紙は、「TPP推進」の立場です。大手紙の編集幹部は、日米同盟が重要という立場だから、日米の首脳が進めようとする政策には、自動的に「支持」する習性なのです。「日本の進路に誤りなきや」と、真剣に監視するジャーナリズムの視点が欠如しています。
今回の日米首脳会談では、共同声明を出すことができ、しかもその中に「両国ともに2国間貿易上のセンシティビティー(慎重に扱うべき事柄)が存在することを認識しつつ、(中略)一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することを求められるものではないことを確認する」と明記されました。安倍首相にしてみれば、予想以上の成果、完勝の思いでしょう。
最も大事なことは、日本という「この国の形」の最も良いところが壊されていくことをどう食い止めるのか、という視点のはずです。ところが実際に進んでいるのは、アメリカのポチ化路線です。オバマ大統領にしてみれば、「日本をTPPのテーブルにつかせれば、どうにでも料理できる」という戦略です。
TPPによる「日本大改造」が進み、豊かな者はより豊かに、貧しい者はより貧しく、「荒廃した醜い日本」になっていきます。この流れをどうすれば止められるでしょう。