雨の降る中初めてまともに傘をさす
息子と一緒にいつものおもちゃ屋さんと輸入食品店に行き
こいのぼり の 飾りを見てたら ああ買ってやらなきゃ と
ふと思い 「れんたろうにこいのぼり買ってあげなきゃねえ」と
漏らしてしまうと それを聞いていたからか さあ店を出てもう帰ろうと
したその時に「これほしい かってかって買って!!」が始まった。
保育園が始まって 私の時間が少しでき
私はようやく自分に近づいたような気がしたけれど
6時半まで預かってもらっていると 蓮太郎とはずっと離れて
あんなにも一緒にいたのに なんだか遠くにいってしまったようで
嬉しいけれども反面なんだかちょっと切ない。
ああそうか 子供を保育園に預けてた人たちの葛藤って
こんな感じなのか と ようやくわかる。
だから息子といる時間をもっと愛おしもう
そう思ってはいるものの いざ行き帰りの時間になると
私の口調は「早くしなさい」「もー危ない!お手てつないで!」と
命令口調っぽくなっていて のんびりと楽しみたい?と思ってはいても
布団の上でごろごろするような余裕もなくて なんだかなあ と 思ったり。
こいのぼり を 買ってやらなきゃ
そう思っていたというのは 去年の今頃 もう子供の日が 過ぎた頃だか
息子は3歳になるというのに 子供の日らしいこと を
フランスで何一つやってやれなかったからで
これではさすがに申し訳ないと強く思って 日本文化会館みたいなところで
開催された 鯉のぼりの絵を描くワークショップに参加してみた。
沢山の人が来る予定だよ と言われたものの 大きな空間に参加者は
私と息子の2人だけ。色鉛筆やクレヨンで 一緒に色を塗ろうとしたけど
息子はそんなことには興味がなくってミニカーで遊びたいらしい。
ちょうどその日に パリに留学中の日本人のピアニストの女性にリクエストして
そこのホールにあったグランドピアノでラピュタやら宮崎駿の映画の曲を沢山弾いてもらってた。
彼女は全て 楽譜もなしで 楽しそうにどんどんと曲を弾いてくれ
子供がいてコンサートなんかいきたくても行けない!と思っていた私には
本当に嬉しいかけがえのない経験だった。
そう 結局 そこでの経験は そんな感じで こいのぼりのために行ったけれども
結局マヤさんの音楽にうっとりしてて 持ち帰った鯉のぼり は 何日か後に
大雨に打たれ びしょぬれになって破けて階下に落ちてしまった。
そんなパリでの鯉のぼり。
あれは切なかったなあ、、、
それはあまりにも可哀想すぎる、、、
駅の近くまで行っても「こいのぼり買って!!」と大声で泣きじゃくる息子を眺め
なんでそんなに欲しいの?と聞き(だってラムネがついてるんだもん!)
問答を繰り返すけど でもなあ なんで働いてんだろう
子供におもちゃも買ってやれないんじゃ働くって何なんだろう
そんなことや パリでの切ない思いを思い出し 結局お店に戻って行った。
そうして息子は嬉しそうに風車のついた小さな小さなおもちゃの
こいのぼり で 喜んでいる。これならパリにも持って行けるね、、、
亀田の柿の種のけなげ組に入れるんじゃないかと思うくらい
けなげでかわいい蓮太郎は 大変な状況下なのに それらを
大変だとも思わぬらしく 今年もたくさん成長をした。
もうあんた 傘をさして歩けるんだね。 黄色い傘から顔も出せずに
カッパと足だけが見えていて なんだか傘が歩いてるみたいだけれど
「蓮太郎どこー?」というと嬉しそうにニコーっとして顔を出す。
今日はなんとお箸をつかってご飯もきれいに食べていた。
それに最近はYouTubeで覚えた発音で カーズのキャラクターの名前を
英語で発音してくれる。そうして母は息子に教わる 「ねえマックイーンって
英語でどう発音するの?」 そんなことができるなら
この人は私よりきっとすらっと簡単に フランス語だって
身につけて 何年かしたら私に発音や意味を教えてくれるようになるのだろう。
蓮太郎のため と 思って 心配していたようなこと は
ほとんど彼には関係なくて 彼はいつでも楽しそうにアホなことをして
ゆるい笑顔で笑ってる。息子は本当にアホだけど 優しくって
けっこう言うこともわかってくれて 最近は大人みたいにいっちょまえにしゃべってる。
あんた、、、お兄ちゃんになったんだねえ
このほぼ4年間 病気らしい病気というのはインフルエンザとたった1日の
ノロウィルスみたいなのだけだった。あとはいつも元気でとびきりの笑顔
そして大きく成長してった。お金がなくても 何かがなくても
想像力で楽しんできた。トミカの駐車場のおもちゃが買えなくっても
私たちは積み木で駐車場をつくって「こんな木の駐車場持ってる人なんかいないね!」と
言ってきた。レストランになんて行かれないからいつもピクニックをしていたけれど
それも今にして思えば贅沢な時間なのだった。つちかってきた沢山の時間
最近は離れて行きつつあるけれど 蓮太郎と これからも一緒に
もっと世界を楽しみたい。