人間総合力

人間総合力は、リーダーとしての資質の中で最も重要な才である。人間総合力とは、栄華の巷を低く見て、愛と寛容のオーラを放ち、礼節を重んじ、大自然に抱かれる喜びと畏敬の念を忘れず、普遍の真理を模索し、生きるための野生の力を持ち、あらゆる行動に、臨機応変に、卓越した決断力を発揮する力である。さらには、教養に溢れ、まさかの時には、愛するもののために、損得を勘定に入れることなく、無心に自らを犠牲にできる力である。誰しもがリーダーに成り得るわけではないが、そうありたいと思う心を持つことはできる。人間総合力育成は、日本人教育の中で、必要欠くべからざる教えとして、歴史の中に確固たる位置を占めていた。ところが、悲しいことに、この日本人の魂とも言えるべき才能を抜き取ることが戦争回避になると、愚かな論法を説く人々の勢いに押され、戦後６０年の短い間に、多くの日本の民は腑抜けにされた。人間総合力が、人間専門力に置き換えられてしまった。僕は訴えたい。人間を産業ロボットとして洗脳するのは止めて欲しいと。