「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。」夏目漱石の名著、草枕のくだりである。世間体・縁・絆・面子・恥の文化が当たり前のように残っていた時代の話である。漱石が言う住みにくい世の中から、新しい時代に時が流れて、人は議論を楽しみ、智に働くことを当たり前とし、無情の心が大手を振って歩き、意地を自在に通せるようになった。近所付き合いとか世間体なんてほとんど死言になった。向こう三軒両隣、誰がどこでどんな仕事や生活をしているのか興味もないし、関係も持ちたくない。果たしてこれで住みやすい世の中になったのだろうか。こんな世の中を漱石ならなんと描写しただろう。
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漱石の言葉、僕には現代にも通ずるものがあるように感じます。日本に居てもアメリカに居ても、なるほど人の世か、と。僕が少し古めかしい考え方が好きな日本人であるからでしょうか。
にしても毎回ブログで見る33期の凛々しい事!
さぞかし学院生活をEnjoyしているのだろうなと思いつつ、自分がその場に居た頃を思い少し懐かしさも感じる次第です。
とっても素晴らしい機会でした。ありがとうございます!
夏目漱石が今の世の中をどう描写するのか分かりませんが、(でも恐らく、Albertと同じことを言うのでは。笑)彼にとっては、どちらが生きやすいのでしょうね。
あの時代で精神に異常を来たした彼が現代に生きているとすれば、どういった感情を持つのでしょう。
気になるところです。
先日、JICAの方とお話をさせて頂いたのですが、今の日本は『違和感』を感じると。何かが可笑しい。その違和感は少しずつ私たちを侵食していってるけれども、その速さが緩やかだから気が付かない、と。
隣の家の苗字も知らない。怪我をしている人を見ても知らない振り。
積もり積もったものが、今の日本にあるのではないでしょうか。
それじゃいけないと、今気付かなければならない。そのために【教育】がある。
そう思います。