フレッドが夫婦で会いに来てくれた
僕が学院を創立して３４年になる
最初にボランティアのような安月給で
学院の講師として
勤務してくれたのが
大学時代の友人
フレッド・ブランドン君だ
アメリカはワイオミングの出身で
現在は
ジャンボジェット機ボーイングの機長として活躍している
僕がワイオミングの彼の家に遊びに行った時
帰りを彼のセスナでユタの空港まで飛んで帰ろうということになった
万が一墜落しても
野生の動物を撃って生き延びれるように
ライフルも二丁携帯しての冒険だった
そして墜落した
ワイオミングの荒野
バッドランドに墜落した
その後が命がけだった
そんな思い出の友人だ
フレッドの奥さんになったのは
学院の卒業生
俵美智子さんだ
３０数年の時を超えて
鹿児島まで会いに来てくれた
走馬灯のように思い出が蘇る
朋有り、
遠方より来たる。
亦楽しからずや
である
あなたは人の価値を何で決めますか？
性格で？
学歴で？
お金で？
外見で？
年齢で？
とても難しい問題だ
生きていくために
ありとあらゆる社会で人間の価値をはかられる
性格が悪いとか
人間力がないとかならどうにかなるが
学歴問わずと書いてあったのに
学歴で判断され
お金がないからと恋人にそっぽを向かれ
生まれつきだからどうしようもないのに
外見が気に食わないと非難され
若すぎるからとか
年よりだからとか
かってに年齢で適正を測られたらどうしようもない
とかく生き難い世の中になった
人間の価値を資本主義の基準において測ろうとするからだ
教育とは何のためにあるのか？
企業の奴隷になるためにあるのではない
人間が人間らしく生きていくためにある
人間をパターン化するためにあるのではない
人間は獣ではないので
人間らしく生きていくための
しっかりした基礎教養さえあれば
残りの人生は多様性に満ちて良い
判ってはいるが
ついつい
礼儀作法などの人間教育は疎かになり
基礎教養はないがしろにしてしまい
相も変わらず知識偏重に歯止めが掛からない
理想と現実とのギャップに苦しむ多くの若者を育てながら
人間社会の矛盾に苦しむ自分がいた